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ジャズ

  • 2023-09-09
  • 2024-02-06

時代を超越する魔法のような音楽。才媛レイヴェイの深化した2ndアルバム『Bewitched』

中国系アイスランド人で、現在はロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター/マルチ奏者レイヴェイ(Laufey)が2ndアルバム『Bewitched』をリリースした。キュートなルックスからは想像の難しい渋い低音ヴォイス、ジャズやボサノヴァの影響を受けた洗練された自作曲には恋愛中心の少女的で幼い歌詞が乗るなどそのギャップも魅力的な新世代のアーティスト。表現力豊かな声が、ジャズコンボやオーケストラ(ロンドンのフィハーモニア管弦楽団)を起用したサウンドでより妖艶な魅力を増した。

  • 2023-09-08
  • 2023-09-02

常識を捨て去った現代のラテンジャズ! キューバの名手アロルド・ロペス=ヌッサの新境地

キューバ出身のピアニスト/作曲家アロルド・ロペス=ヌッサ(Harold López-Nussa)の新譜『Timba a la Americana』は、1980年代後半にキューバで誕生した大衆音楽“ティンバ”をテーマに、独自のエッセンスを織り込んだ色彩豊かで楽しいラテンジャズ作品だ。アロルド・ロペス=ヌッサにとってブルーノート・レコードからの初作であり、プロデューサーはスナーキー・パピー(Snarky Puppy)のマイケル・リーグ(Michael League)が務めている。

  • 2023-09-07
  • 2024-11-03

シリア出身の新星女性ウード奏者ジャワ・マンラ、アラビアの伝統文化に深く根差したデビュー作

シリア出身の新星ウード奏者/作曲家/シンガー、ジャワ・マンラ(Jawa Manla)がアラブの古典音楽をベースにジャズや西洋クラシックの要素を取り入れた美しいアルバム『Distant Roots』でデビューした。収録の5曲はいずれも10分前後と長尺で、ジャワ・マンラ作曲による器楽曲と、彼女がシリアで過ごした子供時代に聴いたアラビア語の曲にインスパイアされた歌曲が収められている。

  • 2023-09-06
  • 2023-09-09

ピアノとザブンバ。創造性豊かなブラジル最強デュオが贈るノルデスチ音楽×JAZZ

ブラジルのピアニスト、サロマォン・ソアレス(Salomão Soares)とパーカッション奏者ゲゲ・メデイロス(Guegué Medeiros)によるデュオ・アルバム『Baião de Dois』。自由奔放で豊かな創造性のサロマォン・ソアレスのピアノと、ここではザブンバ(ブラジル特有の打楽器)に専念するゲゲ・メデイロスの至福のセッションがたっぷりと楽しめる作品で、取り上げられた楽曲はブラジル北東部音楽「バイアォン」をテーマに選曲されたカヴァーが8曲。

  • 2023-09-04
  • 2023-09-03

カナダを代表するジャズ歌手エミリー=クレア・バーロウ、鳥をテーマにした軽やかな絶品アルバム

カナダのジャズ・シンガー、エミリー=クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)の5年ぶり13枚目のアルバム『Spark Bird』は、空や鳥をテーマにした軽やかなジャズが楽しめる作品だ。収録曲はすべてカヴァー。(1)「Over the Rainbow」や(2)「Fais comme l'oiseau」、ジャズ・スタンダードの(3)「Skylark」といったように定番も交えつつ意外なところを突いた選曲も魅力的。

  • 2023-09-03
  • 2023-09-03

北欧随一のピアニスト、ヘルゲ・リエンがウクライナ出身の師に送る“葬送のダンス”

ノルウェーのピアニスト、ヘルゲ・リエン(Helge Lien)の新譜『Funeral Dance』は、彼が師と仰ぐウクライナ生まれのピアニスト、ミハイル(ミーシャ)・アルペリン(Mikhail Alperin, 1956 - 2018)への追悼を込めて制作したアルバムだ。自身のトリオに加えミーシャとの共演歴もあるサックス奏者のトーレ・ブルンボルグ(Tore Brunborg)を迎えており、静かに、そして確かな意志をもって偉大なピアニストを悼む。

  • 2023-08-31
  • 2023-08-30

半世紀の時を経て蘇った伝説のインド・ジャズ・フュージョン!Shakti まさかの2023年新作

ギター奏者ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)、タブラ奏者ザキール・フセイン(Zakir Hussain)を中心に1974年に結成され、数年の間に3枚のアルバムを残した伝説的フュージョン・バンド、シャクティ(Shakti) がまさかの復活。最後のアルバム『Natural Elements』(1977年)から実に46年ぶりとなる4thアルバム『This Moment』は、まさに彼らの今の瞬間を捉えたアルバムだ。

  • 2023-08-29
  • 2023-08-29

心が洗われる浄土の音楽。ノルウェーのピアニスト、マレン・セルバーグによるフォーク・ジャズ

傍に寄り添い、疲れた心を優しく洗ってくれるような音楽だ。ノルウェーのピアニスト/作曲家、マレン・セルバーグ(Maren Selvaag)の2019年作『Bare Være』。ピアノ、ダブルベース、ハーディングフェーレ(ハルダンゲル・フィドル)、そしてフォークハープという珍しい編成で、素朴な音色と洗練された演奏で心の脆い部分を直接癒す“北欧ジャズ”の絶品。

  • 2023-08-28
  • 2023-08-29

天才女性ベーシスト、モヒニ・デイ。18年間の音楽活動の成果を示す驚愕のファースト・アルバム

1996年インド生まれ。10歳の頃からベーシストとして活動を開始し、天才少女の名を欲しいままにしたモヒニ・デイ(Mohini Dey)のデビューアルバム『Mohini Dey』がリリースされた。アルバムにはインド、アメリカ合衆国、イギリス、ハンガリーなどから凄腕のミュージシャンが集結。メタル、ロック、プログレ、ジャズと幅広い分野で女性ベーシストの頂点に君臨する彼女の圧巻の演奏を堪能することができる作品となっている。

  • 2023-08-27
  • 2023-08-27

新世代ジャズ最注目のマルチ奏者コーシャス・クレイ、名門ブルーノートから『KARPEH』リリース

米国オハイオ州出身、近年注目のマルチ奏者/シンガーソングライター、コーシャス・クレイ(Cautious Clay)が名門ブルーノート・レコードからの最初のアルバム『KARPEH』をリリースした。アルバムタイトルは彼の本名に因んでおり、多彩な15曲は自伝的な要素も含む。ゲストにジュリアン・ラージ、アンブローズ・アキンムシーレ、イマニュエル・ウィルキンス、ジョエル・ロス、アルージ・アフタブといった現代ジャズ最高峰の面子を揃え、溢れ出る個性と才能をニューヨークの最先端のサウンドで表現する傑作に仕上がっている。

  • 2023-08-25
  • 2023-08-25

ブエノスアイレスの新星ギタリスト、イヴォ・マッツェオ。ジャズへの深い愛情を湛えたデビュー作

アルゼンチン・ブエノスアイレスのギタリスト/作曲家イヴォ・マッツェオ(Ivo Mazzeo)のデビュー作『Dualidad』。アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新トリオをバックにストレートアヘッドなフォービートから南米らしく洗練された歌心を聴かせるものまで、優れたギタージャズを展開する好盤だ。

  • 2023-08-24
  • 2023-08-20

仏ドラマー、ピエール・モンジャールのデビュー作『Lemedouai』。陽気で楽しい新世代ジャズ

フランスの新世代ドラマー、ピエール・モンジャール(Pierre Mangeard)のデビュー作『Lemedouai』はなかなかに強烈だ。ファンキーでソリッドなドラミング、ヒップホップから強い影響を受けたMC。クインテット編成のバンドはジャジーで洒脱。エネルギーに満ちた陽気で楽しいショウは聴いていて気持ちが良い。

  • 2023-08-23
  • 2023-08-24

孤高の音楽家、エグベルト・ジスモンチが魂で奏でるソロピアノ名盤『Alma』(1986)

ブラジルが生んだ偉大な作曲家/ピアニスト/ギタリスト、エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)。最高に美しい曲を書き、ピアノと多弦クラシックギターを圧倒的なテクニックで弾きまくり、誰も真似のできない個性を持つ世界最高のアーティストのひとり。そんな彼の作品の中でも、特にその異才が際立つアルバムが1986年の(ほぼ)ソロピアノのアルバム『Alma』だ。

  • 2023-08-22
  • 2023-08-22

ジャズ/プログレのエイタン、クラシックのナタリー。コロナ禍でNYのピアニスト男女が急接近

パンデミックが最高潮に達した頃、ともにニューヨーク・マンハッタンに住む二人のピアニスト、エイタン・ケネル(Eitan Kenner)とナタリー・テネンバウム(Natalie Tenenbaum)はInstagramを通じてお互いの活動を知り、2020年8月に交際を開始した。ジャズ/プログレ畑のエイタンと、クラシック畑のナタリーだったが、二人はすぐにイスラエル・テルアビブの同じ高校の出身だということに気づき、それだけでなく音楽や黒人教会への同じ情熱を持っていることを知った。