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MPB

  • 2023-02-08
  • 2023-02-08

南米の美しすぎる音楽遺産を歴訪。ヘナート・ブラスとギター四重奏による大傑作『Canela』

ブラジル・サンパウロの実力派ヴォーカリスト、ヘナート・ブラス(Renato Braz)と世界屈指のギター四重奏団として知られるクアルテート・マオガニ(Quarteto Maogani)が、南米の数々の名曲に挑んだ2015年作『Canela』は、南米のギターや歌を愛するすべての人におすすめしたい傑作だ。

  • 2023-02-06
  • 2023-02-05

デリア・フィッシャーとヒカルド・バセラール、MPBを象徴するジルベルト・ジルへの再訪

ここ半世紀のブラジル・ポピュラー音楽(MPB)のひとつのアイコンであるジルベルト・ジル(Gilberto Gil)の名曲に、彼の次の世代であり現在のMPBのシーンでは既に重鎮となった二人の音楽家、デリア・フィッシャー(Delia Fischer)とヒカルド・バセラール(Ricardo Bacelar)が挑んだ作品が『Andar Com Gil』だ。これは単なる人気の音楽のカヴァーではなく、ブラジルの豊かな音楽文化への再訪とも言えるだろう。

  • 2023-01-26
  • 2023-01-25

葡歌手と伯ギタリストによるユニットOrfélia、ルゾフォニアの伝統を革新的に融和するデビュー作

ポルトガル出身のシンガー/鍵盤奏者アンテラ(Antera)とブラジル出身のギター奏者フェリペ・マットス(Filipe Mattos)がベルリンで出会い誕生したユニット、オルフェリア(Orfélia)初のフルレンス・アルバム『Tudo o Que Move』。両国の伝統的なリズムとサイケデリアが混ざり合い、絶妙な浮遊感のある夢心地のサウンドが展開される。

  • 2022-12-23
  • 2023-08-21

ブラジリアンSSWの芸術の真髄を見る。鬼才ダニ・ブラッキ、底知れぬ才能を感じさせる新作

ブラジルの現行MPB(Música Popular Brasileira, ブラジルのポピュラー音楽)シーンを代表するシンガーソングライター、ダニ・ブラッキ(Dani Black)がまた素晴らしい作品を届けてくれた。新作『Frequência Rara』はナイロン弦ギターによる弾き語りを核にして構成されており、抑制的だが非常に効果的なほかのインストゥルメンタルのアレンジも素晴らしいセンスで、現代最高の吟遊詩人の風格が漂う。

  • 2022-12-04
  • 2022-12-04

アンドレ・メマーリが贈る、現代ブラジル最高の“声とギター”デュオ。ルシアーナ&エディのデビュー作

6年間にわたり声とギターのデュオとして活動してきたルシアーナ・ヴィアーナ(Luciana Viana)とエディ・アンドラージ(Eddy Andrade)のデュオが、ブラジル随一の音楽家であるアンドレ・メマーリ(André Mehmari)の総指揮のもと、テコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)やカロル・パネッシ(Carol Panesi)といった演者の協力も得て最高のデビューを飾った。

  • 2022-11-13
  • 2022-11-13

群を抜く表現力に魅了される、ブラジルの“声とピアノ”。MPB名曲が新たな輝きを放つ名盤

ブラジル出身のピアニスト、エンヒキ・アイゼンマン(Henrique Eisenmann)と、ブラジル系米国人の歌手リヴィア・ネストロフスキ(Lívia Nestrovski)のデュオによる2022年新作『Nação』は、ブラジル音楽をこよなく愛する二人が祖国を代表する音楽家たちの名曲を中心に表現力豊かに演奏した名作だ。

  • 2022-10-27
  • 2022-10-26

トゥリッパ・ルイス、アナログテープで再現するブラジリアン・サイケポップ要注目作

米英のロックやファンク、ポップスと、ブラジルの伝統的な音楽文化を巧みに融合させたその豊かな音楽性をして“Pop Florestal(森のポップ)”を体現するブラジル・サンパウロのSSW、トゥリッパ・ルイス(Tulipa Ruiz)の2022年新譜『Habilidades Extraordinárias』。トロピカリアのサイケロックやノルデスチ音楽、ファンキ・カリオカなど多様なブラジルの音楽を飲み込んだ好盤だ。

  • 2022-10-16
  • 2023-08-21

社会を深く憂う現代のフラワーチャイルド。ノルデスチの人気SSWシコ・セーザル新譜『Vestido de Amor』

ブラジルの北東部音楽を代表するシンガーソングライター(SSW)、シコ・セーザル(Chico César)が新作『Vestido de Amor』をリリースした。2019年の『O Amor É um Ato Revolucionário』以来となる10枚目のアルバムで、今作も随所に北東部(ノルデスチ)音楽に由来するリズムと熱情に溢れ、文化を愛するアーティストらしい精神性に満ちたブラジリアン・ロックの傑作に仕上がっている。

  • 2022-09-25
  • 2022-09-25

奇跡的な美しさ!ピアノと声のデュオ、ブラジル・パラー州の知られざる詩人/作曲家の作品集を歌う

ブラジル・パラー州の重要な詩人/作曲家のジョルジ・アンドラージ(Jorge Andrade)の珠玉の楽曲群を、歌手のアンドレア・ピニェイロ(Andréa Pinheiro)とピアニストのジャシント・カワジ(Jacinto Kahwage)がカヴァーしたアルバム『Voz Passional: Jorge Andrade』が素晴らしい。

  • 2022-09-03
  • 2023-11-10

ダンチ・オゼッチ&ルイス・タチーチ、凛とした気品漂う長年のパートナーシップの集大成的新譜

ギタリスト/作編曲家のダンチ・オゼッチ(Dante Ozzetti)と、音楽家/作家でありサンパウロ大学(USP)の言語学の教授でもあるルイス・タチーチ(Luiz Tatit)による共作アルバム『Abre a Cortina』(2021年)は、知的で洗練された上質なブラジル音楽の見本とでも言うべき美しさに満ちた傑作だ。

  • 2022-08-29
  • 2022-09-06

芸術への飽くなき探求を続けるゼー・ミゲル・ウィズニキ、詩情溢れる美しい傑作『Vão』

ブラジルの音楽家、ゼー・ミゲル・ウィズニキ(Zé Miguel Wisnik)の新作『Vão』。盟友ナ・オゼッチ(Ná Ozzetti)が控えめながら実に効果的なデュオを重ねる(1)「O Jequitibá」から、まさに老練と呼ぶべき、人生や社会の悲喜交交が入り混じった絶妙なマーブル模様のような色合いの音楽を連ねていく。

  • 2022-08-15
  • 2023-11-19

個性的なブラジリアン・ネオソウルで輝くSSWシェニア・フランサ、極上のサウンドで聴かせる2nd

ブラジル・バイーア生まれのシンガーソングライター、シェニア・フランサ(Xenia França)が2ndアルバム『Em Nome da Estrela』をリリースした。前作『Xenia』(2017年)はここ日本でもアフロ・ブラジル系ネオソウルの傑作として高く評価されたが、今作も伝統的なブラジルの多彩なリズムに現代的なサウンド、ソフトな歌声が相まって極上のヴォーカル・アルバムに仕上がっている。

  • 2022-08-13
  • 2022-08-13

MPBを代表するSSWジョイス、新譜『ブラジルの歌』で表現する正真正銘のボッサ・ノーヴァ

ブラジルを代表するSSW、ジョイス・モレーノ(Joyce Moreno)が2022年新作『Brasileiras Canções』をリリースした。1948年生まれ、74歳。その年齢を微塵も感じさせない若々しい音楽は、彼女こそが今でも“ボッサ・ノーヴァ = 新しい潮流”そのものだと断言できる素晴らしい内容。聴き心地はどこまでも軽やかで爽やかだが、やっていることはとんでもなく複雑だ。