- 2023-02-11
- 2023-02-06
アフロ・キューバンと地中海周辺音楽の豊かな出会い。ジョエル・イエレスエロ新譜『Cimarron』
キューバ・ハバナ出身、フランス在住のギタリスト/打楽器奏者/ヴォーカリスト/作曲家ジョエル・イエレスエロ(Joel Hierrezuelo)による2022年新譜『Cimarron』は、ラテン音楽、特にキューバの伝統的なリズムに加え、アフリカや中東音楽のエッセンスも感じられるとてもエキサイティングなジャズだ。
キューバ・ハバナ出身、フランス在住のギタリスト/打楽器奏者/ヴォーカリスト/作曲家ジョエル・イエレスエロ(Joel Hierrezuelo)による2022年新譜『Cimarron』は、ラテン音楽、特にキューバの伝統的なリズムに加え、アフリカや中東音楽のエッセンスも感じられるとてもエキサイティングなジャズだ。
ブラジル・ミナスジェライスの若手音楽家たちの作品に頻繁にクレジットされる二人──ピアニスト/作曲家のルイーザ・ミトリ(Luísa Mitre)と、打楽器/ヴィブラフォン奏者のナタリア・ミトリ(Natália Mitre)姉妹が、デュオ“Duo Mitre”としての初のアルバム『Seiva』をリリースした。ジャズ、クラシック、そしてブラジルの伝統音楽の要素が瑞々しい感性でまとめ上げられており、二人の幼い頃からの精神的な強い絆も感じさせてくれる素晴らしい作品に仕上がっている。
アルゼンチンのギタリスト二人とパーカッション奏者から成るトリオ、ドス・マス・ウノ(Dos Más Uno)の新作 『Las Canciones Más Lindas del Mundo』は、堂々と冠した“世界でもっとも美しい歌”とというアルバム名に恥じない作品だ。アルゼンチンをはじめとした中南米やカリブのスペイン語圏の名曲たちを2本のスパニッシュギターとパーカッション、そして3人の歌とハーモニーでカヴァー。オーガニックなサウンドが魅力的で、近年のアルゼンチン音楽、特にアカ・セカ・トリオが好きな方に全力でおすすめしたい。
チリ出身の歌手フランチェスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola)とアルゼンチンのギター奏者オラシオ・ブルゴス(Horacio Burgos)の共演作『Cartas de Amor』。これぞ南米の声とギターのデュオという温かく美しい音が素敵な作品だ。半数以上の曲ではパーカッションのルイス・バルエト(Luis Barrueto)も参加し色彩を添える。
アフリカ・スーダンの紅海沿岸に生まれ育ったギタリスト/作曲家Nooriが率いるバンド、Noori & His Dorpa Band の国際デビュー作『Beja Power! Electric Soul & Brass from Sudan's Red Sea Coast』。アルバムタイトルに冠されたベジャ(Beja)とは主にスーダン東部に住む古代エジプトから続くといわれている民族で、Nooriの出身である。
イタリアのシンガーソングライター/打楽器奏者、ラケーレ・アンドリオーリ(Rachele Andrioli)の新作『Leuca』は、南イタリア・サレント地方の伝統的な音楽と現代的な洗練の完璧な融合だ。ラケーレ・アンドリオーリの強靭な意志を感じさせる歌声、地中海の打楽器、女性コーラスグループCoro a Coroの重厚な響きの合唱、そして名手レディ・アサ(Redi Hasa)の美しいチェロのアレンジも魔法のように折り重なり、個性的かつ素晴らしい作品に仕上がっている。
パトリシア・ブレナン(Patricia Brennan) というヴィブラフォン奏者の新作を聴いてびっくりした。今作『More Touch』はメキシコに生まれ現在は米国で活動する彼女の2ndアルバムとのことだが、従来のメインストリームのジャズにはない現代音楽的な和音やフレージング、そして要所で極端なピッチベンドやエフェクトをかけた耳に残る奇妙なヴィブラフォンの音…
オーストラリア出身、アフリカ音楽を探求するパーカッション奏者ジュリアン・ベルバキアー(Julian BeBachir)のデビュー作『Babdoukkala』。西アフリカを代表する弦楽器、コラに似たンゴニ(N'goni)を独自に改良した楽器も用い、セネガル出身のラミネ・ソンコ(Lamine Sonko)やギニア出身マリン・シラ(Malin Sylla)らをゲストに迎えた恍惚のアフリカ音楽が展開される。
ポーランドのピアニスト、レシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)と、スウェーデンのベーシスト、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、そしてイスラエルの打楽器奏者ゾハール・フレスコ(Zohar Fresco)。 長らく北欧ジャズのシーンを牽引してきたこの3人がオランダの室内楽集団ホラント・バロック(Holland Baroque)を迎え録音した稀有な室内楽×北欧ジャズのハイブリッド作品『Just Ignore It』。
プエルトリコ出身のアルトサックス奏者/作曲家ミゲル・ゼノン(Miguel Zenón)の新譜『Música De Las Américas』がリリースされた。タイトルやジャケットに示されているとおりアメリカ大陸の歴史が紡いできた様々な物語にインスパイアされており、ラテンアメリカの多様な文化への敬意を表明した作品となっている。
フランスの3人のマルチ器楽奏者/シンガーソングライターで構成されるバンド、Soadanの新譜 『Pieds Nus』。西アフリカ、マダガスカル、モーリシャス、レユニオン島といった地の音楽文化に強く影響を受けた作品で、フランス語で歌われる全10曲は様々な音楽的要素が混在した結果、現代的な響きを伴って心地よく耳に届く。
マケドニアにルーツを持ち、独学でベースやヴィオラ、マンドリン、パーカッション、ヒューマンビートボックスなどをマスターしたフランスの音楽家ストラショ・テメルコフスキー(Stracho Temelkovski)のデビュー作『The Sound Braka』。40歳を越えてのデビューアルバムは、今まで広く明らかにされていなかったその卓越した才能を世界に知らしめる驚異的なアルバムだ。
フランスを代表するジャズ・クラリネット奏者ルイ・スクラヴィス(Louis Sclavis)が、チェロ2台とパーカッションという意欲的なカルテットで録音した2022年新譜『Les Cadences du Monde』。前衛的な室内楽といった形容が相応しい、美しく芸術的な音楽だ。
プログレを原点とし、ジャズやフラメンコなど幅広いスタイルで活躍するスペインのピアニスト/作曲家チャノ・ドミンゲス(Chano Dominguez)、ペルーの楽器カホンを初めてフラメンコの世界に持ち込んだブラジルの打楽器奏者ルベン・ダンタス(Rubem Dantas)、ブラジルの天才的バンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)というレジェンド級の3人が集い、誕生したアルバム『Chabem』。