- 2022-08-24
- 2022-08-23
デンマークのピアノトリオ、幅広いスタンダードで描き出す北欧ジャズの風景
いずれもデンマーク出身のベーシスト、イェスパー・ボディルセン(Jesper Bodilsen)とドラマー、モーテン・ルンド(Morten Lund)、そしてピアニストのヘンリック・グンデ(Morten Lund)のトリオによる美しい北欧ジャズ作品『Moods』(2022年)。
いずれもデンマーク出身のベーシスト、イェスパー・ボディルセン(Jesper Bodilsen)とドラマー、モーテン・ルンド(Morten Lund)、そしてピアニストのヘンリック・グンデ(Morten Lund)のトリオによる美しい北欧ジャズ作品『Moods』(2022年)。
イングランド北部の都市リーズを拠点とするベーシスト/作曲家ファーガス・クイル(Fergus Quill)がトリオを中心としたアンサンブルで聴かせる前衛的なジャズ作品『Zoop Zoop』でデビュー。ホンキートンク・ピアノで投げやり気味に演奏される酔狂なラグタイム・ブルース(1)「¿Who Shot Pinetop?」から独特の存在感を示す演奏が繰り広げられる。
70歳を越えた今もなお美しい新曲を書き続け、膨大なディスコグラフィをすごい勢いで拡張し続けるヨーロッパ随一の巨匠ピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)のピアノトリオによる新譜『Something Tomorrow』。美しく抒情的な楽曲群、その一方で鋭くグルーヴする演奏も聴かせるなどピエラヌンツィの音楽の真髄を捉えた作品になっている。
イスラエルを代表するベーシスト/作曲家、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が新トリオでの新譜『Shifting Sands』をリリースした。ピアノトリオでの作品は『Arvoles』(2019年)以来。ピアノには引き続きアゼルバイジャン出身のエルチン・シリノフ、そして今作では2020年にトリオに加入しツアーなどに参加していた若き女性ドラマー、ロニ・カスピが初めてアルバムに登場する。
アゼルバイジャンのピアニスト、シャヒン・ノヴラスリ(Shahin Novrasli)の2014年作 『Bayati』がサブスク解禁された。編成はベーシストのネイサン・ペック(Nathan Peck)と、ドラマー、アリ・ホーニグ(Ari Hoenig)とのピアノトリオ。正確無比かつ高速で回る指で、アゼルバイジャン独特のジャズ=ジャズ・ムガームの旋法も取り入れたエキサイティングな演奏を聴かせてくれる作品だ。
アルメニアの伝統音楽やプログレッシヴ・ロック、さらにはメタルをジャズの語法の持ち込んだピアニスト/作曲家/編曲家のティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の新譜『StandArt』は、これまでとは趣向を変えたカヴァー曲集となった。
フランスのベーシスト/作曲家ジャン=フィリップ・ヴィレ(Jean-Philippe Viret)。21世紀のジャズ・ピアノトリオに革命を起こした彼のトリオによる、これまでの輝かしい軌跡を辿るような作品『In vivo』が世に公開された。
洗練された現代ジャズとスコットランド伝統音楽の融合で独自の個性を発揮するピアニスト、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)のトリオによる3枚目の新譜『Forest Floor』がリリースされた。前2作と同じメンバーで、広がりのある雄大なサウンドスケープを描き出す。
2017年のデビュー作『Short Stories』での抒情性が高く評価されたベルギー出身のピアニスト、マルティン・サレミ(Martin Salemi)の新作『About Time』。収録の7曲はすべてマルティン・サレミのオリジナル。
アルメニア生まれ、現在はフランスを拠点に活動するピアニスト、エッサイ・カラペティアン(Yessaï Karapetian)は、次世代のジャズのスターかもしれない。アルメニアといえばティグラン・ハマシアンという世紀のカリスマの登場で2010年代から注目を浴びているが、このエッサイ・カラペティアンという野心的な演奏家によって再び注目を集めることになるだろう。
ノルウェーのピアノトリオ、ヘルゲ・リエン・トリオ(Helge Lien Trio)の待望の最新作『Revisited』がリリースされた。タイトル「再訪」が示すとおり、トリオの20年の軌跡を辿りつつ、過去に演奏した楽曲を現在の視点から捉え直し、再構築するというコンセプトの作品だ。
スウェーデンのピアノトリオ、Trio X of Swedenの 『Trad. Arr』はそのタイトル通り、伝統曲をジャズのピアノトリオで再構築した作品だ。全編北欧らしい美旋律のオンパレードで、腰を据えてじっくり聴くもよし、リラックスした時間のBGMにふんわりと流すもよしの万人におすすめしたいアルバム。
古今東西の名曲を美しいヨーロピアン・ジャズで演ずるイタリアのピアニスト、エンゾ・オレフィス(Enzo Orefice)の『Talking About Jazz』シリーズは、2021年からデジタル配信が開始され、すでに5枚のシリーズEPがリリースされている。
スウェーデンのピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)のピアノトリオ作品 『Stay Now』。名門ACTからリリースされた彼自身3枚目のアルバムとなる今作は、北欧ジャズの新星を強く印象づける詩的で美しい内容で、彼のキャリアにとっても大きな飛躍の一枚となるだろう。