- 2023-01-08
 - 2023-11-15
 
アルジェリアを代表する女性SSWスアド・マッシ、地中海周辺音楽や南米テイストも取り込んだ新作
アルジェリア出身のシンガーソングライター/ギタリストのスアド・マッシ(Souad Massi)は、通算10枚目となる新作『Sequana』で彼女の音楽の幅をさらに広げた。プロデューサーはアラブやアフリカ音楽にも造詣の深い英国のギタリスト、ジャスティン・アダムス(Justin Adams)。
アルジェリア出身のシンガーソングライター/ギタリストのスアド・マッシ(Souad Massi)は、通算10枚目となる新作『Sequana』で彼女の音楽の幅をさらに広げた。プロデューサーはアラブやアフリカ音楽にも造詣の深い英国のギタリスト、ジャスティン・アダムス(Justin Adams)。
アルゼンチンのギタリスト二人とパーカッション奏者から成るトリオ、ドス・マス・ウノ(Dos Más Uno)の新作 『Las Canciones Más Lindas del Mundo』は、堂々と冠した“世界でもっとも美しい歌”とというアルバム名に恥じない作品だ。アルゼンチンをはじめとした中南米やカリブのスペイン語圏の名曲たちを2本のスパニッシュギターとパーカッション、そして3人の歌とハーモニーでカヴァー。オーガニックなサウンドが魅力的で、近年のアルゼンチン音楽、特にアカ・セカ・トリオが好きな方に全力でおすすめしたい。
ルゾフォニア(ポルトガル語圏)の最重要ミュージシャンの一人であるカーボベルデのシンガーソングライター、マリオ・ルシオ(Mário Lúcio)の2022年新作『Migrants』。“移民”を意味するタイトルの本作は、国境を越える彼の音楽を象徴的に示している。
傑作だったデビュー作『Árbola』から早10年。アルゼンチンの女性シンガーソングライター、メリーナ・モギレフスキー(Melina Moguilevsky)の第3作目となるアルバム『Huecos』がリリースされた。共同プロデューサーにOchoを率いるフアン・ベルビス(Juan Belvis)とマルチ奏者のルシアナ・ビターレ(Luciano Vitale)を迎え、アルゼンチン音響派の流れを取り入れつつもこれまでの彼女の作品に見られたオーガニックな感触を失わない、美しく先鋭的なフォーク・ミュージックとなっている。
ブラジルの現行MPB(Música Popular Brasileira, ブラジルのポピュラー音楽)シーンを代表するシンガーソングライター、ダニ・ブラッキ(Dani Black)がまた素晴らしい作品を届けてくれた。新作『Frequência Rara』はナイロン弦ギターによる弾き語りを核にして構成されており、抑制的だが非常に効果的なほかのインストゥルメンタルのアレンジも素晴らしいセンスで、現代最高の吟遊詩人の風格が漂う。
今回紹介するのはアンゴラの女性歌手/作曲家、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の2014年リリースの作品『Filho Meu』。これがとんでもない傑作で、今でも時々聴き返している。特に大好きなのがラストの(14)「Você Me Abana」という曲だ。この曲は本当にこれまでに聴いた全音楽の中でも上位にランクする名曲で、偶然にこの曲に出会ってから何度も何度もリピートしていた。
イタリアのシンガーソングライター/打楽器奏者、ラケーレ・アンドリオーリ(Rachele Andrioli)の新作『Leuca』は、南イタリア・サレント地方の伝統的な音楽と現代的な洗練の完璧な融合だ。ラケーレ・アンドリオーリの強靭な意志を感じさせる歌声、地中海の打楽器、女性コーラスグループCoro a Coroの重厚な響きの合唱、そして名手レディ・アサ(Redi Hasa)の美しいチェロのアレンジも魔法のように折り重なり、個性的かつ素晴らしい作品に仕上がっている。
6年間にわたり声とギターのデュオとして活動してきたルシアーナ・ヴィアーナ(Luciana Viana)とエディ・アンドラージ(Eddy Andrade)のデュオが、ブラジル随一の音楽家であるアンドレ・メマーリ(André Mehmari)の総指揮のもと、テコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)やカロル・パネッシ(Carol Panesi)といった演者の協力も得て最高のデビューを飾った。
チャーリー・ハンター(Charlie Hunter)との共演で知られるメキシコのフォーク・ポップ・シーンの新星シルバナ・エストラーダ(Silvana Estrada)のソロ・デビュー作 『Marchita』は、近年ますます注目されるラテン音楽の中でも際立って退廃的な美しさを湛え、それがゆえに親近感を抱いてしまう傑作だ。
アカデミー歌曲賞の受賞など、ウルグアイを代表するシンガーソングライターであるホルヘ・ドレクスレル(Jorge Drexler)が新作『Tinta y Tiempo』をリリースした。ウルグアイ、スペイン、イスラエル、パナマからゲストを迎え、彼らしい柔らかな歌と巧みなソングライティング、そして現代的なサウンドで2022年を代表すると言っても過言ではない素晴らしいアルバムに仕上がっている。
NYで活躍する韓国出身シンガーソングライター、ソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)と、ブラジル・サンパウロ出身のギタリスト/作曲家ヴィニシウス・ゴメス(Vinícius Gomes)の双頭名義の新作『Home』。ギター1本と声という最低限の編成ながら、二人の圧倒的な技巧と表現力で聴かせる素敵な作品だ。
近年のバルセロナで最も成功したバンドのひとつ、チェ・スダカ(Che Sudaka)の物語は南米アルゼンチンやコロンビアからの不法滞在者たちが生活のためにストリートで演奏していたところから始まった。いまやカルト的な人気を誇る彼らの10枚目のアルバム『20 Años』は、その名の通り2002年の結成から20周年を記念した集大成的な内容になっている。
1998年生まれのシンガーソングライター、ヒラ・ラビー(Hila Rabby)のデビュー作 『Visions』は空間的な拡がりをもったサイケデリック感、ジャズやロック、エレクトロニックの絶妙なミックス、そして彼女の自然で飾り気のないヴォーカルが魔法的な魅力を放つ作品だ。
ルーツ・ミュージックを自身の表現に取り入れ、近年激良作を連発しているメキシコのシンガーソングライター、ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)の新作『De Todas las Flores』は、ほぼ自作曲で固められ、これまた彼女のディスコグラフィを代表しそうな素晴らしい作品だった。