エリア・バスティーダ、巨匠ステファン・グラッペリに捧げるマヌーシュ・スウィング

Èlia Bastida - Tribute to Stéphane Grappelli

巨匠ステファン・グラッペリに捧げるヴァイオリン・ジャズ

スペインのヴァイオリン奏者、エリア・バスティーダ(Èlia Bastida)によるステファン・グラッペリ・トリビュート『Tribute to Stéphane Grappelli』。ともにサン・アンドレウ・ジャズバンドの指導者であるベース奏者ジョアン・チャモロ(Joan Chamorro)とギター奏者ジョゼップ・トレイバー(Josep Traver)とのトリオを軸に優美なジプシー・スウィングを堪能できる作品だ。

ジャンゴ・ラインハルトとともに活動し、マヌーシュ・スウィングの一時代を築いたヴァイオリニストであるステファン・グラッペリが愛した楽曲を中心にカヴァーするが、(8)「Dance for Stéphane」と(13)「Grappelia」はいずれもグラッペリにインスパイアされたエリア・バスティーダのオリジナルとなっている。

(1)「Clair de Lune」

ハンガリー出身のジョゼフ・コズマ(Joseph Kosma)による(1)「Clair de Lune」、ルーマニアの作曲家イオン・イヴァノヴィチ(Ion Ivanovici)による(5)「Anniversary Song」といったジプシージャズの名曲から、多重録音されたJ.S.バッハの(3)「Double Concerto(2つのヴァイオリンのための協奏曲)」、エリア自身のヴォーカルも披露されるサンバ/ボサノヴァの名曲(11)「Izaura」など選曲もバラエティに富む。

(12)「My One and Only Love」

数曲でサン・アンドレウ・ジャズバンドで学んだ1991年生まれのドラマー、アルナウ・フリア(Arnau Julià)も参加。ジョン・ルイス作曲のジャズ・スタンダードである「Django」はトリオによる10曲目と、アルナウ・フリアのドラムスを編成に加えた14曲目の2テイクが収録されており、聴き比べも面白い。

Èlia Bastida プロフィール

ヴァイオリン奏者エリア・バスティーダはジョアン・チャモロ主宰の少年少女ジャズ楽団、サン・アンドレウ・ジャズバンドの出身。彼との共同名義の『The Magic Sound of the Violin』(2019年)では、クラシックで培われた確かなテクニックとジャズの即興性、スウィングの陽気さが組み合わさった楽しく美しい音楽を聴かせてくれる。

Èlia Bastida – violin, vocal (11)
Josep Traver – guitar
Joan Chamorro – double bass
Arnau Julià – drums (4, 8, 13, 14)

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