超絶技巧の若手マヌーシュ・スウィングの旗手、グウェン・カユ 多様な音楽性に根差した新譜『Mosaïque』

Gwen Cahue - Mosaïque

若手ギタリスト、グウェン・カユ新譜『Mosaïque』

フランスのギタリスト、グウェン・カユ(Gwen Cahue)の第5作目となるアルバム『Mosaïque』がリリースされた。全編マカフェリ・ギター1を弾き、曲によって2種類のトリオを起用した作品で、とかくスピードとテクニックに偏重しがちなジャズ・マヌーシュに高度な叙情性と音楽性を持ち込んだ優れた作品だ。

ジャンゴ・ラインハルトも演奏したスタンダード曲の再解釈(4)「Body and Soul」、マヌーシュ界きっての超絶技巧のスター、ストーケロ・ローゼンバーグ(Stochelo Rosenberg)に捧げる(7)「Stochelo Express」、ブラジル音楽へのオマージュ(10)「Brazil Sketch」といった楽曲を収録。ジャズ・マヌーシュの伝統に根差しながら、それに縛られない超越的な創造性が存分に発揮される。多様なインスピレーションを自身の音楽に反映する姿は、アルバムタイトルの『モザイク』を的確に表す。

これぞジプシージャズ!という趣の(9)「In Walked Bud」

Gwen Cahue プロフィール

グウェン・カユはフランス出身のジャズ・ギタリスト。ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix, 1942 – 1970)に憧れ独学でギターを学び、当初はロックやモダン・ジャズに親しんだ後、ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt, 1910 – 1953)に傾倒してジャズ・マヌーシュの世界へ進む。アンジェロ・ドゥバール(Angelo Debarre)、ロマーヌ(Romane)、サンセヴェリーノ(Sanseverino)らとの共演を重ねながら頭角を現し、伝統的なジャズ・マヌーシュを基盤に、モダン・ジャズやブラジル音楽、クラシック音楽の要素を融合した独自のスタイルを確立。2019年の『Memories of Paris』を皮切りに作品を発表し、現代フランスのジャズ・マヌーシュのシーンを代表する若手ギタリストの一人として国際的な評価を高めている。

Gwen Cahue – solo guitar

Guillaume Védie – rythmic guitar
Julien Pinel – double bass

Benji Winterstein – rythmic guitar
William Brunard – double bass

  1. マカフェリ・ギター…イタリアのギタリスト/弦楽器製作者マリオ・マカフェリ(Mario Maccaferri, 1900 – 1993)がクラシック・ギターを改良した特徴的なアコースティック・ギター。ジャンゴ・ラインハルトが愛用したことでマヌーシュ・ジャズを象徴する楽器となり、特にサクソフォンのメーカーとして有名なフランスのセルマー社が1932年から1952年頃にかけて製造したことで「セルマー・マカフェリ」として知られる。現在も同タイプのギターが、“マカフェリ・タイプ”のギターとして特にマヌーシュ・ジャズ系のギタリストたちに愛用されている。 ↩︎

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