Sumuposauttaja が11人編成のバンドで録音した新譜『Work and Play』
フィンランドのアンダーグラウンド・シーンで活動するマルチ奏者/作曲家サミ・アレクシ・ケイナネン(Sami Aleksi Keinänen)が、ソロプロジェクト、スムポサウッタヤ(Sumuposauttaja)名義でのアルバム『Work and Play』をリリースした。ローファイ・ポップを起点に、パーカッション多めの生バンドのアンサンブルによって西アフリカ系のリズムを孕んだ、レトロな質感のある心地よいグルーヴを生み出す優れたアルバムに仕上がっている。
2026年3月フィンランドのレーベル「Puro Recordings」から発表された本作には、2024年から2025年にかけて録音された6曲を収録。これまでのSumuposauttajaではシンセサイザーを中心としたローファイな電子音楽が大きな特徴だったが、今作ではそのスタイルから離れ、サミ・アレクシ・ケイナネンを中心とする11人編成のバンドによる生演奏を前面に出している。
ケイナネン自身は作詞作曲、リードヴォーカル、エレクトリック/アコースティック・ギター、キーボード、電子パーカッション、グロッケンシュピールを担当。バンドには各楽曲のソロで活躍するサックスのサミ・シッポラ(Sami Sippola)、ベースのヴィッレ・ラウハラ(Ville Rauhala)、ドラムスのセバスティアン・クリューン(Sebastian Krühn)、さらにはセネガル出身の著名な打楽器奏者/歌手イスマイラ・サネ(Ismaila Sane)らが参加し、感性を優しく撫でつける微風のような心地よいサウンドを生み出す。サックスやベースを含むバンドの演奏にはジャズの要素があり、メロディやシンセサイザーの音色には1980年代後半のポップ・ミュージックを思わせる感触も。
本作のサウンドを特徴づけるもう一つの要素が、ケイナネンの父親が所有していたという古いフィンランドの老舗ブランド、Landolaのアコースティック・ギターだ。使い込まれたギターの響きを軸に、サックス、ベース、ドラム、複数のパーカッション、コーラス、シンセサイザーなどを組み合わせることで、電子音楽を出発点としたSumuposauttajaの音楽を、生楽器中心のアンサンブルへと拡張した。
(6)「Hide」は2024年に先行して発表されていた楽曲で、当時はフィンランドのSSWリーサ・タニ(Liisa Tani)との共同アレンジによる作品だった。今作では「Hide (Reprise)」として、バンド編成によって再構築されている。
Sumuposauttajaはもともと、ケイナネンがシンセサイザーなどを用いて一人で制作するローファイ・ダンス・ポップのプロジェクトとして展開してきた。2025年の『Out of Style』ではドラムス、ギター、アコースティック・パーカッションなどを取り入れ、より歌を中心としたサウンドへと広がっていたが、今作ではさらに進んで11人編成のバンドによるアンサンブルへと発展。個人制作を出発点としたプロジェクトが、多人数によるアンサンブルへと展開した過程を確認できるアルバムとなっている。
Sumuposauttaja Band :
Sami Aleksi Keinänen – lead vocals, electric guitar, acoustic guitar, Yamaha PSR-32, electronic percussions, glockenspiel
Sami Sippola – saxophone
Ville Rauhala – double bass, electric bass
Sebastian Krühn – drums
Minna Sihvonen – chorus
Mari Hermaja – chorus
Elliina Peltoniemi – chorus
Ismaila Sane – percussion, vocal (1)
Gilbert Kuppusami – percussion
Mitja Virikko – percussion
Jon Thureson – percussion
Guest :
Teemu Into – synthesizer (1)