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Euro Jazz

  • 2020-04-27
  • 2024-11-27

鬼才チェロ奏者、マチュー・サグリオが世界的音楽家たちと“物理的接触なし”に作り上げた壮大なスケールの新譜

フランスに生まれ、長らくスペインのバレンシアを拠点とするマチュー・サグリオ(Matthieu Saglio)は挑戦的なチェリストだ。彼はフランスと北アフリカを繋ぐ2018年作『Ahlam』が世界的に高い評価を受けたが、2020年の新作『El Camino de los Vientos』で世界をもっと広げた。しかも、現代的な方法で。

  • 2020-04-18
  • 2022-03-14

二人のベーシストとカリスマ女性Voが織りなす刺激的なロシアジャズ

ロシア発、二人のベーシストがフィーチュアされたユニークなコンテンポラリージャズ作品『Stereobass』がとても良い。タイトルを見て、二人の凄腕ベーシストが低音でブリブリ言わせるバトル的な作品なのかな、と思ったらこれがまた全然、良い意味で予想を裏切られた。

  • 2020-04-12
  • 2020-04-11

静かな夜に聴きたい、南米+北欧の詩的なギタートリオ

南米アルゼンチンのギタリスト、ホセ・サルーシと同じくアルゼンチンのベーシスト、フアン・フラッキに、デンマークのドラマー、ウルリック・ビスガアルドが加わった極上のギタートリオ作品『Lugar』。このメンバーでは初めての録音とのことだが、アルゼンチンと北欧音楽に共通する叙情性がギタートリオという小編成の中で見事に結実した素晴らしい音楽だ。

  • 2020-03-16
  • 2020-03-16

北欧ジャズの偉大な“Wラングレン”、夢の共演。温かみのある傑作デュオ作品

いずれもスウェーデン出身。ジャズトロンボーン奏者/ヴォーカリストのニルス・ラングレン(Nils Landgren)とピアニストのヤン・ラングレン(Jan Lundgren)、姓はたった母音一文字違いの“Wラングレン”が夢の共演。水晶、英語でいう「Cristal」の意味のアルバムタイトル『Kristallen』のとおり、北欧ジャズらしい透明感のある絶品デュオ作品だ。

  • 2020-02-29
  • 2020-02-29

ヨーロッパの辺境から現れたカリスマ的表現者、カトリ・ヴォーラント

エストニア出身のピアニスト/歌手/作曲家、カトリ・ヴォーラント(Kadri Voorand)の2020年作『In Duo with Mihkel Mälgand』はベーシスト、ミヒケル・マルガンドとのデュオ編成での趣向を凝らしたオリジナル曲のほか、マイケル・ジャクソンのカヴァー(6)「They Don't Really Care About Us」なども魅力的な意欲作。

  • 2020-02-01
  • 2020-02-01

“文豪の玄孫”の二つ名はもう不要!? ヴィクトリア・トルストイ新譜『Stations』

スウェーデンを代表する人気ジャズシンガー、ヴィクトリア・トルストイ(Viktoria Tolstoy)の3年振り新譜『Stations』は、ボブ・ディランの(5)「Million Miles」、イダ・サンドの(1)「I Should Run」や(3)「The Mind Is Free」、ナット・アダレイの(7)「Old Country」、ナット・サイモン(10)「Poinciana」など選曲も親しみやすい、驚きはないが上質なジャズ・ヴォーカル作品だ。

  • 2020-01-27
  • 2022-01-15

エドゥアール・フェルレ、類稀なピアノの哲学者。

エドゥアール・フェルレは昔から不思議なピアノを弾く人だった。彼の演奏は即興が主体だが従来の“ジャズっぽさ”がほとんどない。かといってクラシックそのものでもなく、彼が生み出すハーモニーもメロディーも、どこか宙を漂うような、掴み所のない感覚に溢れている。おそらく、彼の音楽を最初に聴くひとは戸惑うだろう──この音楽のルーツは一体何なんだろう、と。

  • 2020-01-26
  • 2020-03-04

エレガントなピアノと歌声が魅力的!東欧伝統音楽にも深く根ざした才媛による現代JAZZ

フランスの女性ジャズピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン。クラシック出身らしい粒が立ち輪郭のはっきりしたピアノ、エレクトリックピアノやシンセサイザーも駆使した表現力、アルメニア音楽独特のフレージング、少し陰を帯びた美しい声。エレガントな佇まいも含め、とても魅力的な音楽家だ。

  • 2020-01-23
  • 2024-02-05

エレピやヴォーカルで新境地を切り開くグレゴリー・プリヴァ注目の新譜『Soley』

仏領マルティニーク出身のピアニスト、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の2020年『Soley』。デビュー作が1902年にマルティニーク島で起こった大噴火で当時の県庁所在地サン・ピエールを壊滅させ、市内で生き残ったわずか3人のうちの一人、囚人オーギュスト・シパリの物語を描いた『Tales of Cyparis』という壮大な作品だった彼らしい、コンセプチュアルな作品だ。

  • 2020-01-22
  • 2020-01-26

「ナウシカ姫に恋をしました」伊人気ジャズピアニストのジブリ曲集!ジャケ絵は宮崎駿氏提供

欧州を代表するピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの新譜『MITAKA CALLING -三鷹の呼聲-』はそのタイトルが連想させる通り、ジブリ映画の楽曲集。アルバム・ジャケットのイラストを自身もミラバッシのファンだと公言する宮崎駿監督が提供するなど、スタジオジブリ×ミラバッシの相思相愛の作品だ。