- 2022-05-19
- 2022-05-17
エネルギッシュな祝祭感溢れるバルカンブラスバンド、Dobranotch新譜
ロシア・サンクトペテルブルク出身者を中心に1998年にフランスで結成されたバンド、ドブラノッチ(Dobranotch)が新譜『Zay Freylekh!』をリリースした。イディッシュ語のラビの言葉に始まり、その後はエミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラなどに通じるエネルギッシュなクレズマー〜バルカン音楽をノンストップで展開。
ロシア・サンクトペテルブルク出身者を中心に1998年にフランスで結成されたバンド、ドブラノッチ(Dobranotch)が新譜『Zay Freylekh!』をリリースした。イディッシュ語のラビの言葉に始まり、その後はエミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラなどに通じるエネルギッシュなクレズマー〜バルカン音楽をノンストップで展開。
アヴィシャイ・コーエンの『Shifting Sands』、ギラッド・ヘクセルマンの『Far Star』とイスラエルジャズの年間ベスト級新譜のリリースが相次いでいるが、同時期にリリースされたエルサレム生まれのベーシスト/作曲家オル・バレケット(Or Bareket)の3枚目のアルバム『Sahar』も相当に素晴らしい作品だ。
イスラエル出身のギタリスト/作曲家ギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)の2022年新譜『Far Star』は、個人的に彼の生涯ベストとなる一枚のように思う。隙を見せない作編曲、アドリブ、編成、そしてサウンドの先進性……どれをとってもアイディアと創造力に溢れ、なおかつスタイリッシュだ。
イスラエルを代表するベーシスト/作曲家、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が新トリオでの新譜『Shifting Sands』をリリースした。ピアノトリオでの作品は『Arvoles』(2019年)以来。ピアノには引き続きアゼルバイジャン出身のエルチン・シリノフ、そして今作では2020年にトリオに加入しツアーなどに参加していた若き女性ドラマー、ロニ・カスピが初めてアルバムに登場する。
マルティニークのピアニスト/作曲家、マハー・ボーロワ(Maher Beauroy)の2ndアルバム『Insula』は、アフロ・カリビアン・ジャズのひとつの記念碑となりそうな重要作だ。単に音楽的に優れているだけではなく、作品の中心に据えられたテーマにも揺るぎない信念があり、総合的に優れた芸術作品となっている。
サンパウロに住むピアニストのサロマォン・ソアレス(Salomão Soares)と歌手ヴァネッサ・モレーノ(Vanessa Moreno)による『Yatra-Tá』(2021年)は、数々のMPBの名曲を即興性の高い自由なピアノとヴォーカルのみでカヴァーした素晴らしい作品だ。
イタリアのベーシスト/作曲家ヤコポ・フェラッツァ(Jacopo Ferrazza)の新譜『Fantàsia』は、一般的なピアノトリオに加え女性ヴォーカルやチェロ、ライヴ・エレクトロニクスも加えたスケールの大きな作品だ。
現代最高峰のジャズ・ハーモニカ奏者/作曲家のガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)の新譜『Plural』は、ブラジル音楽を牽引する巨匠たちや各国の著名な音楽家を多数ゲストに迎えたとりわけ豪華な一枚だ。先駆者トゥーツ・シールマンスの生誕100周年という記念すべき日に放たれた、ジャズ・ハーモニカの金字塔的作品。
アコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)とクラリネット奏者ナイロール・プロヴェータ(Nailor Proveta)の二人はともに今日まで豊かなブラジル音楽の土壌を耕し続けてきた。共通点の多い二人はいつしかデュオ演奏の夢を抱くようになったが、それが2022年になってようやく『Bagualina』というアルバムとして結実した。
アゼルバイジャンのピアニスト、シャヒン・ノヴラスリ(Shahin Novrasli)の2014年作 『Bayati』がサブスク解禁された。編成はベーシストのネイサン・ペック(Nathan Peck)と、ドラマー、アリ・ホーニグ(Ari Hoenig)とのピアノトリオ。正確無比かつ高速で回る指で、アゼルバイジャン独特のジャズ=ジャズ・ムガームの旋法も取り入れたエキサイティングな演奏を聴かせてくれる作品だ。
ハイチにルーツを持つ米国のSSW/マルチ弦楽器奏者のレイラ・マッカラ(Leyla McCalla)の新譜『Breaking the Thermometer』がリリースされた。ハイチ・クレオール語、フランス語、英語で歌われ、ハイチの伝統音楽やアメリカのジャズやフォークの影響がうかがえる、優雅さと素朴さを併せ持った独特の魅力を醸す。
デンマークから面白いバンドが現れた。トーン・オブ・ヴォイス・オーケストラ(Tone of Voice Orchestra)は2018年に結成。4人のヴォーカリストに2人の打楽器奏者、フィドル、ハーディ・ガーディ/バグパイプ、サックス/フルート、そしてダブルベースという10人編成で北欧の伝統音楽やジャズ、欧米のフォークミュージックに影響されたサウンドを展開する。
2017年に米国シアトルで誕生した次世代ジャズ・コレクティヴ、ハイ・パルプ(High Pulp)が放つ強力な新譜『Pursuit of Ends』。この数年でアヴァンギャルドなジャズからサイケ・ロック、プログレ、シューゲイザー、ファンク、ヒップホップ、エレクトロニカまであらゆるものを吸収しシーンの最前線に躍り出た彼らにしかできないであろう、完成度の高い作品だ。
スペインのギタリストホセミ・カルモナ(Josemi Carmona)と、ベース奏者ハビエル・コリーナ(Javier Colina)、そして打楽器奏者バンドレロ(Bandolero)の共同名義による第3作『Vida』がリリースされた。フラメンコ・ジャズの筆頭格と高く評価された3人による必聴盤だ。