- 2024-03-26
- 2024-04-13
ユーロビジョン・アルメニア代表の男女デュオLADANIVAが魅せる国境なきワールドミュージック
毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。
毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。
長い闘病の末、2022年に63歳で亡くなったアルメニアを代表するシンガーソングライター、アルトゥール・グリゴリアン(Arthur Grigoryan, 1958 - 2022)。彼が残したアルメニアのポピュラー音楽史を彩る名曲をピアニストのバハグン・ハイラペティアン(Vahagn Hayrapetyan)、チェリストのアルチョーム・マヌーキアン(Artyom Manukyan)、そしてドラムス奏者アーマン・ムナツァカニャン(Arman Mnatsakanyan)が美しいジャズで奏でるトリビュート作『Music of Arthur Grigoryan』。
アルメニア神話の水、海そして雨の女神ナール(ツォヴィナール)にインスパイアされたというオーストラリアのジャズバンド、ヴィジョンズ・オブ・ナール(Visions of Nar)がデビュー作『Daughter of the Seas』をリリースした。サックスの旋律はアルメニアの民族音楽に強く影響されたものだが、空間系エフェクターを多用したギターや、テクニカルなタブラの音など無国籍感に溢れる不思議で美しい音楽となっている。
ワールドワイドに音楽を吸収し、現代ジャズ界で活躍する二人の音楽家──アルメニア出身のピアニスト/作曲家ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)と、韓国出身の歌手ソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)によるデュオ作『Lawless Heart』が届いた。最小限の編成ながら、リズムとハーモニーを高いレベルで追求する二人による圧巻の表現力と、その限りなく透明な美しさに心を動かさせる作品だ。
アルメニア系フランス人ピアニスト/作曲家アンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新作『Anouch』は、これまででもっとも彼自身のルーツを強く意識した作品に仕上がっている。本作は20世紀初頭の“死の行進”を耐え、生き延びた祖母へと捧げられており、ジャズ、クラシック、フラメンコなどの表現手法も用い、アルメニア人の記憶に刻まれた魂の音楽を奏でる。
State Jazz Orchestra of Armenia はその名の通りアルメニアの国立ジャズオーケストラ。1938年に創立され、旧ソ連全土で公演を行い広く愛されてきた。そんな彼らの2021年の新譜が『Menq U Munq』。全曲がアルメニアの作曲家によるものであり、何世紀にもわたるアルメニアの音楽の伝統を新しい解釈で現代に蘇らせている。
アルメニア出身で2006年に若手ジャズ・アーティストの登竜門であるセロニアス・モンク・コンペティションで優勝したティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2009年の3rdアルバム『Red Hail』がついにSpotifyやApple Musicなどのサブスクリプションサービスで配信開始となった。
アルメニアから現れ、インターネットにのって世界中の音楽家に強い影響を与えたピアニスト/作曲家、ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2020年の新譜『The Call Within』は、2015年の名盤『Mookroot』以来のジャズ・プログレが強調された一枚で、これこそが多くのリスナーが求める鬼才ティグランの姿だろう。
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
ポーランドのプログレ・ジャズバンド、オーガニック・ノイゼズ(Organic Noises)のファーストアルバムがこの『Organic Noises』。ポーランドのバンドながら、アルメニアの伝統音楽に強く影響されたスタイルが特長的かつ斬新な、非常に興味を惹かれるバンドだ。
ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)が自身のすべての楽曲のサブスクリプション・ダウンロード配信をスタートさせた。
アルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンとブラジルを代表するシンガー、タチアナ・パーハのデュオ新作がリリースされた。『Triptych』(三連祭壇画)と名付けられた今作は、その名の通りシリーズを総括する静謐で格調高く、絵画的な感動のある一枚だ。
フランスの女性ジャズピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン。クラシック出身らしい粒が立ち輪郭のはっきりしたピアノ、エレクトリックピアノやシンセサイザーも駆使した表現力、アルメニア音楽独特のフレージング、少し陰を帯びた美しい声。エレガントな佇まいも含め、とても魅力的な音楽家だ。
ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)が2015年にリリースした『Mockroot』は、自身のルーツであるアルメニアの音楽とジャズ、さらにはプログレッシブ・ロックやエレクトロニカなど、様々な要素が混然とした近年のジャズの潮流を知る上でも最も重要な作品のひとつ。