- 2023-08-19
- 2023-08-19
「涙そうそう」のカヴァーも!A.C.ジョビンの末娘マリア・ルイーザによる美しい新譜『Azul』
ブラジルのシンガーソングライター、マリア・ルイーザ・ジョビン(Maria Luiza Jobim)による2023年新譜『Azul』。そのあまりに重い姓を持つ彼女が受け入れた運命のようなものを感じさせるアルバムだ。
ブラジルのシンガーソングライター、マリア・ルイーザ・ジョビン(Maria Luiza Jobim)による2023年新譜『Azul』。そのあまりに重い姓を持つ彼女が受け入れた運命のようなものを感じさせるアルバムだ。
現代の南アフリカのジャズシーンにおいて既に最も重要な鍵盤奏者として位置付けられているボカニ・ダイアー(Bokani Dyer)。彼の出身である南部ソト語で“社会”、“国家”を表す「Sechaba」という言葉をタイトルに冠した新作『Radio Sechaba』で、南アフリカとはなにか、という社会的なテーマに対し多様なアプローチで解釈を示してゆく。
サンバやボサノヴァ、トロピカリアなどブラジルのオールドスクールを現代の感性でアップデートしたリオデジャネイロ出身の気鋭SSWレオ・ミデア(Leo Middea)の5thアルバム 『Gente』が素晴らしい。ブラジルらしい洗練されたリズムやハーモニーの感覚、オーガニックなヴォーカルやアンサンブル、さりげなく効果的に加えられたエレクトロニック。今ブラジルやヨーロッパで人気のアーティストだ。
ナイジェリアのヴォーカリストJazzZと、ジンバブエのプロデューサーTentenの共同プロジェクトによる初のリリース『Absinthe』。ジャズ、R&B、ヒップホップ、ソウルなどの影響がバランスよく織り込まれたそれぞれ短めの14のトラックはどれも清涼で洗練されており、心地よい時間へとリスナーを誘う。
コロンビア・ボゴタを拠点とするバンド、ムッシュ・ペリネ(Monsieur Perine)。5年ぶり新作『Bolero Apocalíptico』の全12曲のサウンドはムッシュ・ペリネらしさを失わず、さらに彼らの個性を進化させた洗練された音楽となっている。
“電気羊飼い”を意味するグループ名を持つフィンランドの3人組ユニット、セーコパイメン(Sähköpaimen)の2ndアルバム『Hämärä』は非常に興味深い音楽作品だ。アルバムタイトル「Hämärä」とは“黄昏”の意味で、昼と夜の曖昧な境界線を彼らの伝統と革新の両方に足を踏み入れた音楽性に喩えている。
ワールドワイドに音楽を吸収し、現代ジャズ界で活躍する二人の音楽家──アルメニア出身のピアニスト/作曲家ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)と、韓国出身の歌手ソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)によるデュオ作『Lawless Heart』が届いた。最小限の編成ながら、リズムとハーモニーを高いレベルで追求する二人による圧巻の表現力と、その限りなく透明な美しさに心を動かさせる作品だ。
ブラジルの土着宗教カンドンブレの精神性や音楽に魅了されたシンガー、イルマ・フェヘイラ(Irma Ferreira)のデビュー作『Em Cantos de Oriṣà』は、アフリカ系ブラジル人のルーツに対する彼女の飽くなき探究心の結晶のような作品だ。
ブラジル・パラナ州の二人、ギタリストのアンドレ・シケイラ(André Siqueira)と、シンガーのナタリア・レプリ(Natália Lepri)による美しい“声とギター”のアルバム『Macramê』。オリジナルはアンドレ・シケイラ作の(5)「Vozear」のみで、他はエグベルト・ジスモンチ、ギンガ、セルジオ・サントス、カルロス・アギーレ、クチ・レギサモンなど南米の美しい楽曲の極上カヴァーとなっている。
モンゴル出身の歌手エンジ(Enji)が待望のサードアルバム『Ulaan』をリリースした。前作から引き続きポール・ブランドルがギターを、モンゴル出身のムングントフチ・ソルモンバヤルがダブルベースを担当。さらに今作ではブラジルのクラリネット奏者ジョアナ・ケイロスとドラムス奏者マリア・ポルトガルが全面参加し、アジア的な雰囲気のソングライティングとブラジルの洗練された現代ジャズのエッセンスが魔法のように融合。前作を上回る素晴らしい作品に仕上がっている。
ポール・サイモン(Paul Frederic Simon)は1941年10月13日、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークのユダヤ人の中流家庭に生まれた。いつも聖書を読み、神が私たち全員に目を留めておられると信じて育った少年は、その後の長い人生を通じて、彼が“家族”と呼ぶ同じくユダヤ系のアート・ガーファンクル(Arthur Ira Garfunkel, 1941 - )とのデュオ時代を含め、史上最多の13度のグラミー賞を受賞し、ミュージシャンとしては唯一「世界で最も影響力のある100人」に選出されるほどの成功を収めた。
世界がパンデミックの危機に陥る直前の2020年1月、スペイン出身の歌手/作曲家アルバ・サントス(Alba Santos)、キューバのベーシストのアニエル・ソメイラン(Aniel Someillan)、ブラジルのドラマー、イサイアス・アウヴェス(Isaías Alves)、そしてインド出身ピアニストのアヌラグ・ナイドゥ(Anurag Naidú)の4人の傑出した音楽家たちが スリランカに集い、7日間の創造的な合宿で一枚のアルバムを録音した。
ラテン・グラミー賞ノミネート経験もあるサンパウロ出身の人気SSW/アコーディオン奏者マルセロ・ジェネッシ(Marcelo Jeneci)の2023年新譜『Caravana Sairé』は、彼が幼少期に一時期過ごしたブラジル北東部ペルナンブーコ州サイレ(Sairé)の伝統音楽に特化した、サウダーヂ感がありつつも彼らしく現代的にアップデートした素晴らしい作品となった。
サンパウロ出身のクララ・コエーリョ(Clara Coelho)と、レシーフェ出身のフライラ・フェホ(Flaira Ferro)。自然を愛する二人の女性アーティストが出会い生み出した珠玉のデュオ・アルバム『Áua』。副題に「生まれ変わるための招待状」 と名付けられた本作は、感情面では非常に繊細ながら芯の強さを備え、音楽面ではジャズ、クラシックの室内楽、ブラジル北東部の土着音楽、フラメンコなどが自然に絡み合うという間違いなくハイクオリティな作品に仕上がっている。