- 2022-09-08
- 2023-09-14
3台のチェロとギターと声が奏でるアルゼンチンの極上チェンバー・フォルクローレ
アルゼンチン・コルドバを拠点に活動するチェリスト3人組のフロール・スール・チェロ・トリオ(Flor Sur Cello Trío)と、同じくアルゼンチンの男女デュオ、アイレナ・オルトゥーベ&フリアン・ボウリュー(Airena Ortube & Julian Beaulieu)による極上のコラボレーション『Un Solo Jazmín』。
アルゼンチン・コルドバを拠点に活動するチェリスト3人組のフロール・スール・チェロ・トリオ(Flor Sur Cello Trío)と、同じくアルゼンチンの男女デュオ、アイレナ・オルトゥーベ&フリアン・ボウリュー(Airena Ortube & Julian Beaulieu)による極上のコラボレーション『Un Solo Jazmín』。
これまでAfion、Zykopops、Anfi Trionといったバンドで歌ってきたクロアチア出身の歌手リディア・ドクゾヴィッチ(Lidija Dokuzovic)が、ギター、ダブルベースとの自身のトリオで 録音したアルバム『I've Heard』は、南スラヴの伝統的な音楽に焦点を当てた繊細で郷愁感のある美しい作品だ。
ギタリスト/作編曲家のダンチ・オゼッチ(Dante Ozzetti)と、音楽家/作家でありサンパウロ大学(USP)の言語学の教授でもあるルイス・タチーチ(Luiz Tatit)による共作アルバム『Abre a Cortina』(2021年)は、知的で洗練された上質なブラジル音楽の見本とでも言うべき美しさに満ちた傑作だ。
長年サンバやボサノヴァといったブラジル音楽に魅了されてきたという米国マサチューセッツ州出身のシンガー、アン・ウォルシュ(Anne Walsh)もまた、アストラッド・ジルベルトの影響を受けたひとりだ。2022年の新作『The Astrud Project』で、彼女はボサノヴァへの大きな愛を米国流に表現している。
ブラジルの音楽家、ゼー・ミゲル・ヴィズニキ(Zé Miguel Wisnik)の新作『Vão』。盟友ナ・オゼッチ(Ná Ozzetti)が控えめながら実に効果的なデュオを重ねる(1)「O Jequitibá」から、まさに老練と呼ぶべき、人生や社会の悲喜交交が入り混じった絶妙なマーブル模様のような色合いの音楽を連ねていく。
カタルーニャのSSW/ピアニスト/フルート奏者マガリ・サレ(Magalí Sare)の新作『Esponja』は、彼女の柔らかな声質から来る優しい音触りと、こだわりの散りばめられたアコースティック主体のサウンド、ラテン気質の明るさと同時に洗練された上品さがバランスよくミックスされた注目すべき作品だ。
モロッコ系イスラエル人のSSW、J.ラモッタ すずめの2022年新譜『So I've heard』。これまでは英語詞での音楽表現をメインに活動してきた彼女が初めてほぼ全編で母国語であるヘブライ語を用い、ヒップホップ/ネオソウルの明瞭なサウンドに中東音楽のエッセンスも適度に取り入れた意欲作となっている。
ブラジルのSSW/ギタリストのバジ・アサド(Badi Assad)の2022年『Ilha』がリリースされた。カンドンブレなどのアフロ・ブラジル文化に大きな影響を受けたサウンドでスピリチュアルな問いを投げかける今作は、彼女のポップ・アーティストやシンガーソングライターとしての魅力にあらためて気付かされる内容だ。
ブラジルに生まれ、イタリアとイギリスで育ったラウ(Lau)を中心とするイギリス・ブライトンのサイケロックバンド、ワックス・マシン(Wax Machine) のセルフプロデュースによる新譜『Hermit's Grove』。サイケなロック・グルーヴとスピリチュアル・ジャズのエッセンスが心地良い、土埃や人々の体温、海から吹く風、そして燦々とした太陽の匂いのする作品だ。
コロンビアのシンガーソングライター、ラウラ・オテロ(Laura Otero)が4年間の渡米経験を経てリリースした2nd『From Noche to Night』(2015年)は、バックの演奏陣をテキサス州オースティンのジャズ・ミュージシャンで固めたオーガニックで素晴らしく豊かなヴォーカル作品だ。
ブラジルのピアニスト/マルチ奏者/作編曲家ヒカルド・バセラール(Ricardo Bacelar)の新作『Congênito』は、MPBを代表する名曲群をヒカルド・バセラール自身による編曲、楽器演奏、歌、プロデュースで仕上げた作品だ。
優れた才能を輩出し続けるテルアビブの音楽シーンから、また若く素晴らしいシンガーソングライターが現れた。シェリー・アーチャー(Shelly Archer)のデビューEP『Lovebird』は、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)からフィービー・ブリジャーズ(Phoebe Bridgers)に連なる系譜を継ぐ新たな才能の出現を高らかに宣言する。
ブラジル・バイーア生まれのシンガーソングライター、シェニア・フランサ(Xenia França)が2ndアルバム『Em Nome da Estrela』をリリースした。前作『Xenia』(2017年)はここ日本でもアフロ・ブラジル系ネオソウルの傑作として高く評価されたが、今作も伝統的なブラジルの多彩なリズムに現代的なサウンド、ソフトな歌声が相まって極上のヴォーカル・アルバムに仕上がっている。
ブラジルを代表するSSW、ジョイス・モレーノ(Joyce Moreno)が2022年新作『Brasileiras Canções』をリリースした。1948年生まれ、74歳。その年齢を微塵も感じさせない若々しい音楽は、彼女こそが今でも“ボッサ・ノーヴァ = 新しい潮流”そのものだと断言できる素晴らしい内容。聴き心地はどこまでも軽やかで爽やかだが、やっていることはとんでもなく複雑だ。