TAG

ヴォーカル

  • 2021-05-10
  • 2021-05-10

新世代歌姫ヴェロニカ・スウィフト、社会問題をテーマに据えた硬派な新譜

米国の新世代ジャズシンガー、ヴェロニカ・スウィフト(Veronica Swift)の新譜『This Bitter Earth』は社会的テーマに焦点を当てた優れたジャズ・ヴォーカル作品だ。今作で彼女が歌うのは性差別、人種差別/外国人排斥、家庭内暴力、そしてフェイクニュースといった近年問題となっているシリアスなテーマ。

  • 2021-05-09
  • 2021-05-09

ホットチョコレートのように甘くほろ苦い、ノア&ギル・ドール 31年目の傑作デュオアルバム

イスラエルを代表する歌手ノア(Noa)と、彼女の長年の音楽のパートナーあるギタリストのギル・ドール(Gil Dor)とのデュオ作品『Afterallogy』は、ジャズのスタンダードや二人のオリジナル曲をギター一本の伴奏で歌い上げた愛情豊かな素晴らしいアルバムだ。

  • 2021-05-07
  • 2021-10-01

心揺さぶるセンバの巨匠パウロ・フローレス、アンゴラ独立45周年を祝う新譜

勇壮なアフリカのリズムと旋律、ブラジル音楽をも思わせるサウダーデ(郷愁)、おおらかな優しさを持つ声が一体となった極上のアフリカン・ポップスがここにある。アフリカ南西部に位置するアンゴラ共和国を代表するシンガーソングライター、パウロ・フローレス(Paulo Flores)の新譜『Independência』。

  • 2021-05-05
  • 2021-10-01

アンドレ・メマーリの鳥のように自由なピアノに乗せ、マファルダ・ミノッシがナポリを歌う

かねてよりアンドレ・メマーリの歌伴は世界最高だと信じているのだが、この新譜でその確信もより深まった。アンドレはこれまでに様々な歌手と共演を重ねてきたが、今回のお相手はイタリア出身ながらブラジル音楽への造詣が深い歌手のマファルダ・ミノッシ。

  • 2021-05-03
  • 2021-05-03

コロンビアのSSWマルタ・ゴメス、17組のアーティストと作り上げた完璧に美しい傑作

コロンビア出身の女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による美しい曲と歌声が至福の時間を与えてくれるアルバム『La alegría y el canto』。マルタ・ゴメス自身はヴォーカルとギターを弾き、そのお供はドラムレスの小編成のアコースティック楽器たち。乾いた弦楽器の音やフルート、ピアノなどが丁寧に作曲された音楽を彩る。極上の音楽とはまさにこのこと!

  • 2021-04-25
  • 2023-04-30

ヒップホップからJAZZに目覚めた気鋭鍵盤奏者、UKジャズ先端を行く新譜

ジャズピアニストであり、同時にヒップホップのMCでもあるという肩書きを持つミュージシャンを探すことは容易ではないが、ロンドンの鍵盤奏者/SSW/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)は、これまでに2017年のデビュー作『Antiphon』などでそれらを両立する稀有な才能を示し証明してきた数少ないアーティストのひとりだ。

  • 2021-04-22
  • 2021-10-01

伊SSWジョー・バルビエリ、コロナ禍で祈るように創り上げた美しすぎる傑作

イタリアのSSW、ジョー・バルビエリ(Joe Barbieri)はこれまで全く聴いたことがなかったが、新譜『Tratto Da Una Storia Vera』が好みの超ど真ん中で驚いた。ジャジーで南米音楽の香りのする爽やかなアレンジに、伊達男な感じの優しく落ち着いた声。どうしてこんな素晴らしいアーティストを今まで聴いてこなかったんだろう…。

  • 2021-04-18
  • 2022-09-18

デンマークの歌手リリー、ギラッド・ヘクセルマンとの親密なアメリカン歌曲集

デンマークのジャズシンガー、リリー(Lilly)が、イスラエルのギター奏者ギラッド・ヘクセルマンと米国のコルネット奏者カーク・クナフキと共に録音した極上のアメリカン・ソングブック『The Song is You』をリリースした。リリーとギラッド・ヘクセルマンは2017年に『Tenderly』で共演しているので、今作はその続編という位置付けになる。

  • 2021-04-16
  • 2023-09-19

必聴!スペインの素敵すぎる母娘デュオ、表現の幅を格段に広げた傑作2nd

トロンボーン奏者/ヴォーカリストのリタ・パイエス(Rita Payés)と、その母でギタリストのエリザベト・ローマ(Elisabeth Roma)が絶賛された前作『Imagina』(2019年)に続く2作目となるデュオアルバム『Como la Piel』をリリースした。ジョアン・チャモロの元を離れたリタ・パイエスは暖かさや優しさだけではない新たな側面も見せ、アーティストとしての表現力の幅を格段に広げている。

  • 2021-04-12
  • 2021-04-12

バークリー音大出身の気鋭奏者たちが集う注目のバンド、クロスウォーク・アナーキー

ボストンのバンド、クロスウォーク・アナーキー(Crosswalk Anarchy)が面白い。鍵盤奏者/作曲家のエヴァン・ワーラマー(Evan Waaramaa)を中心とする5人組で、2019年にアルバム『Composite』でデビュー。ジャズ、ロック、ヒップホップ、R&Bなどに影響されたサウンドで、アルバム収録曲のジャンルも多岐にわたる。

  • 2021-04-10
  • 2021-10-25

幽玄なコラの響き、盟友たちと奏でる大地の音楽。バラケ・シソコ『Djourou』

マリのコラ奏者バラケ・シソコ(Ballaké Sissoko)の新譜『Djourou』は、ハープやギターの原型とも言われる西アフリカの弦楽器コラの幽玄な響きがどこまでも美しい、マスターピース的な作品だ。パーカッション類を用いず、後述するゲストが奏でる楽器を除けば全てバラケ・シソコのコラのみというスピリチュアルな音楽は、この世の希望や嘆き、生きることの喜びや哀しみの全てを表現していると言っても過言ではないように、とにかく美しく深く聴こえる。