- 2021-05-10
- 2021-05-10
新世代歌姫ヴェロニカ・スウィフト、社会問題をテーマに据えた硬派な新譜
米国の新世代ジャズシンガー、ヴェロニカ・スウィフト(Veronica Swift)の新譜『This Bitter Earth』は社会的テーマに焦点を当てた優れたジャズ・ヴォーカル作品だ。今作で彼女が歌うのは性差別、人種差別/外国人排斥、家庭内暴力、そしてフェイクニュースといった近年問題となっているシリアスなテーマ。
米国の新世代ジャズシンガー、ヴェロニカ・スウィフト(Veronica Swift)の新譜『This Bitter Earth』は社会的テーマに焦点を当てた優れたジャズ・ヴォーカル作品だ。今作で彼女が歌うのは性差別、人種差別/外国人排斥、家庭内暴力、そしてフェイクニュースといった近年問題となっているシリアスなテーマ。
イスラエルを代表する歌手ノア(Noa)と、彼女の長年の音楽のパートナーあるギタリストのギル・ドール(Gil Dor)とのデュオ作品『Afterallogy』は、ジャズのスタンダードや二人のオリジナル曲をギター一本の伴奏で歌い上げた愛情豊かな素晴らしいアルバムだ。
勇壮なアフリカのリズムと旋律、ブラジル音楽をも思わせるサウダーデ(郷愁)、おおらかな優しさを持つ声が一体となった極上のアフリカン・ポップスがここにある。アフリカ南西部に位置するアンゴラ共和国を代表するシンガーソングライター、パウロ・フローレス(Paulo Flores)の新譜『Independência』。
かねてよりアンドレ・メマーリの歌伴は世界最高だと信じているのだが、この新譜でその確信もより深まった。アンドレはこれまでに様々な歌手と共演を重ねてきたが、今回のお相手はイタリア出身ながらブラジル音楽への造詣が深い歌手のマファルダ・ミノッシ。
コロンビア出身の女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による美しい曲と歌声が至福の時間を与えてくれるアルバム『La alegría y el canto』。マルタ・ゴメス自身はヴォーカルとギターを弾き、そのお供はドラムレスの小編成のアコースティック楽器たち。乾いた弦楽器の音やフルート、ピアノなどが丁寧に作曲された音楽を彩る。極上の音楽とはまさにこのこと!
「招き猫」ジャケで知られる南アフリカのエレクトロ・ポップスで最も成功しているユニット、グッドラック(GoodLuck)が突如完全アコースティックのジャズ&ボッサなアルバム『Goodluck Up Close』をリリースした。
ジャズピアニストであり、同時にヒップホップのMCでもあるという肩書きを持つミュージシャンを探すことは容易ではないが、ロンドンの鍵盤奏者/SSW/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)は、これまでに2017年のデビュー作『Antiphon』などでそれらを両立する稀有な才能を示し証明してきた数少ないアーティストのひとりだ。
スペインで最高の“声”を持つシンガーソングライターのひとり、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)の2021年新譜『Aire』。ソロ4作目となる今作ではアコースティックギターを中心としたオーガニックなサウンドに乗せた絶品の歌を堪能することができる。
イタリアのSSW、ジョー・バルビエリ(Joe Barbieri)はこれまで全く聴いたことがなかったが、新譜『Tratto Da Una Storia Vera』が好みの超ど真ん中で驚いた。ジャジーで南米音楽の香りのする爽やかなアレンジに、伊達男な感じの優しく落ち着いた声。どうしてこんな素晴らしいアーティストを今まで聴いてこなかったんだろう…。
ジャズオルガンのカリスマ、ロニー・スミス(Lonnie Smith)の新譜『Breathe』がブルーノート・レコーズからリリースされた。今作ではなんとイギー・ポップ(Iggy Pop)が2曲でフィーチュアされている。
デンマークのジャズシンガー、リリー(Lilly)が、イスラエルのギター奏者ギラッド・ヘクセルマンと米国のコルネット奏者カーク・クナフキと共に録音した極上のアメリカン・ソングブック『The Song is You』をリリースした。リリーとギラッド・ヘクセルマンは2017年に『Tenderly』で共演しているので、今作はその続編という位置付けになる。
トロンボーン奏者/ヴォーカリストのリタ・パイエス(Rita Payés)と、その母でギタリストのエリザベト・ローマ(Elisabeth Roma)が絶賛された前作『Imagina』(2019年)に続く2作目となるデュオアルバム『Como la Piel』をリリースした。ジョアン・チャモロの元を離れたリタ・パイエスは暖かさや優しさだけではない新たな側面も見せ、アーティストとしての表現力の幅を格段に広げている。
ボストンのバンド、クロスウォーク・アナーキー(Crosswalk Anarchy)が面白い。鍵盤奏者/作曲家のエヴァン・ワーラマー(Evan Waaramaa)を中心とする5人組で、2019年にアルバム『Composite』でデビュー。ジャズ、ロック、ヒップホップ、R&Bなどに影響されたサウンドで、アルバム収録曲のジャンルも多岐にわたる。
マリのコラ奏者バラケ・シソコ(Ballaké Sissoko)の新譜『Djourou』は、ハープやギターの原型とも言われる西アフリカの弦楽器コラの幽玄な響きがどこまでも美しい、マスターピース的な作品だ。パーカッション類を用いず、後述するゲストが奏でる楽器を除けば全てバラケ・シソコのコラのみというスピリチュアルな音楽は、この世の希望や嘆き、生きることの喜びや哀しみの全てを表現していると言っても過言ではないように、とにかく美しく深く聴こえる。