ゲンブリ奏者が放つエレクトロジャズ×グナワ。ルーツの探求と進化の追求を選んだシャイ・ハザンの音楽

Shay Hazan - Reclusive Rituals

イスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザンが放つエレクトロジャズ×グナワ

イスラエル・テルアビブを拠点に活動するベーシスト/ゲンブリ奏者シャイ・ハザン(Shay Hazan)がアコースティックなジャズ・クインテット作『Nuff Headlines』に続きリリースした『Reclusive Rituals』は、感度抜群のエレクトロジャズ×グナワミュージックだ。

シャイ・ハザンが演奏するのは北アフリカの音楽・グナワで使用される3弦の楽器、ゲンブリ(ギンブリ、シンティルとも呼ばれる)。渦巻くような低音のグルーヴがジャズやヒップホップを通過した先鋭的なビート・旋律と絡み合い、得も言われぬ恍惚へと誘う。

(7)「Afrobeatz」

シャイ・ハザンはブラックミュージック、特にジャズを追求するうちに、そのルーツへ興味を持ち始めモロッコをはじめとした北アフリカの音楽を聴きはじめた。もともとダブルベースとエレクトリック・ベースの奏者だった彼はゲンブリを手に入れ、奏法をマスターし自身の楽曲に取り入れ、その個性を確立していったのだという。

アルバムタイトルの“Reclusive Rituals = 排他的儀式”とは、20世紀で最も重要なアーティストとされる黒人画家ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat, 1960 – 1988)の言葉にインスパイアされたもので、有名になり一挙一動が注目されることへのリスクについての彼なりの考察が表現されている。多くの人々は行動の結果として否定的な意見を受けることを恐れ、何かを始めたり行動しようとしたりすることに躊躇するが、シャイ・ハザンはそうした批評を恐れることなく常に探求や創造をし続けることこそが大切だと考えている。

(8)「Remove the Talk」

Shay Hazan – guimbri, bass, guitar
Tal Avraham – trumpet
Eyal Netzer – saxophone
Doron Segal – noise, programming, editing, keyboards
Milton Michaeli – keyboards
Nir Tom Sabag – drums, percussions
Uriah Witztum – guitar
Haim Peskoff – drums
Shaul Eshet – keyboards

Shay Hazan - Reclusive Rituals
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