ブラジルとポルトガル、そしてアフリカが躍動する傑作。ルイスガとエドガル・ヴァレンテ、濃密な共演作『AIÊ』

LUIZGA & Edgar Valente - AIÊ

ルイスガ&エドガル・ヴァレンテによるルゾフォニアの探究

ブラジル・ミナス出身のルイスガ(LuizGa)ことルイス・ガブリエル・ロペス(Luiz Gabriel Lopes)と、ポルトガルのエドガル・ヴァレンテ(Edgar Valente)によるデュオ作品『AIÊ』。アルバムのタイトルはヨルバ語で“生きている世界”の意味で、異なる地域における共通のルーツや精神的なつながり、共鳴の可能性の探究をコンセプトに掲げている。特に彼らが生きる世界であるルゾフォニア(ポルトガル語文化圏)における、人々の幾代にもおよぶ生活史に想いを馳せる音楽が展開される。

エルザ・ソアレス(Elza Soares)やバジ・アサド(Badi Assad)らの作品を手掛けてきたギリェルミ・カストルッピ(Guilherme Kastrup)がプロデューサーを務めており、全体的にアフロルーツを強く意識させるサウンドだ。ギターやパーカッションを軸とした力強いリズムに重なる二人の美しいハーモニーはまさに絶品で、プリミティヴと現代的な洗練が共存する魔法のような音空間を作り上げている。

(2)「Haux Haux」のMV

ルイス・ガブリエル・ロペスはミナスのポスト・トロピカリア・バンド、グラヴェオーラ(Graveola)のメンバーであり、今作のサウンドにもその傾向は引き継がれている。無限の熱量、高度な技巧、そして深い信頼によって繋がった彼らが奏でる音楽は、不思議なほど強い引力があり、ブラジル、ポルトガル、あるいはアフリカのどこかにありそうな音楽の桃源郷へと連れていく。

(1)「Exu」のライヴ演奏
LUIZGA & Edgar Valente - AIÊ
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