ブラジル音楽と現代ジャズの幸福な接点を映し出す。新鋭ギタリスト、グスタヴォ・ヴィリッシモのデビュー作

Gustavo Virissimo - Reflexos

Gustavo Virissimo ハイクオリティなデビュー作『Reflexos』

ブラジル、リオグランデ・ド・スル州の新鋭ギタリスト/作曲家、グスタヴォ・ヴィリッシモ(Gustavo Virissimo)が、デビュー・アルバム『Reflexos』で瑞々しく素晴らしい創作力を証明してみせた。アルバムにはすべて彼自身の作曲による8曲が収録されており、フレーヴォやバイアォン、サンバといったブラジル音楽のリズム語法と、現代ジャズがごく自然に融合した楽曲群は驚くほどの完成度を誇る。アルバムタイトル「Reflexos(反射)」は、各楽曲が作曲者自身の記憶や人間関係、感情の断片を映し出すという意味が込められている。

幕開けを飾る(1)「Frevo pra Belle」は、本作の方向性を鮮やかに提示する。ペルナンブーコ州の伝統舞曲であるフレーヴォを土台にしながら、複雑な和声と集団即興へ展開していく構成が見事だ。ゲスト参加したブラジル新世代屈指のベーシスト、ミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)の躍動感あるプレイも際立つ。

(1)「Frevo pra Belle」(アルバム収録版とは別音源)

ほぼ全編で、リオグランデ・ド・スルの著名なインストゥルメンタル・グループであるKiai(=日本語の“気合い”に由来)のメンバーであるキーボーディストのマルセロ・ヴァス(Marcelo Vaz)、ドラマーのルーカス・フェ(Lucas Fê)、ベーシストのディオニシオ・ソウザ(Dionísio Souza)も参加し、鉄壁のアンサンブルを支える。

さらに、多くの楽曲ではヴォーカリストのベリ・モッティーニ(Belle Mottini)がスキャットや歌で参加。特に、ブラジルの鬼才ギンガ(Guinga)へのオマージュとして創作された(4)「Boca do Coisa Ruim」では、複雑なハーモニーに彩られた感性豊かな楽曲を美しく歌い、わずか2分半程度の尺ながら、今作中で最も強い印象を残すトラックの立役者となっている。

(4)「Boca do Coisa Ruim」には、ギンガ(Guinga)からの強い影響が表れている

『Reflexos』は、ブラジル音楽の豊かなリズム文化と現代ジャズの即興精神が誇張なく自然に交差した秀作だ。
グスタヴォ・ヴィリッシモは派手な技巧や情報量の多さで圧倒するタイプではないが、演奏者たちが互いの呼吸を聴き合う静かな集中力と、確かな演奏力/アンサンブル力が、聴き手の耳をゆっくりと引き込んでゆく。

Gustavo Virissimo プロフィール

グスタヴォ・ヴィリッシモは2002年ブラジル南部リオグランデ・ド・スル州ノヴォ・アンブルゴ生まれ、現在は州都ポルト・アレグレを拠点に活動するギタリスト/作曲家。幼少期から音楽に親しみ、10代前半より演奏活動を開始。UFRGS(リオグランデ・ド・スル連邦大学)でポピュラー音楽を学び、エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベースを軸に幅広い現場で演奏を重ねてきた。

ブラジル音楽のリズム感覚とジャズの即興性を結びつけた現代的な作風を特徴とし、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)、ギンガ(Guinga)、フィロー・マシャード(Filó Machado)らの影響を公言している。声を「歌詞を伝える媒体」だけでなく音色として扱うアンサンブル志向のアプローチでも注目される。

2026年、デビュー・アルバム『Reflexos』を発表。自身が作曲・編曲・プロデュースを手がけ、ブラジル各地の若手実力派ミュージシャンや海外アーティストとの共演を実現した。ポルト・アレグレのインディペンデント・シーンから現れた新世代のインストゥルメンタル作家として期待を集めている。

現在は演奏活動に加え、作曲、編曲、音楽教育にも携わり、ブラジル南部を中心に精力的な活動を続けている。

Gustavo Viríssimo – electric guitar, acoustic guitar, fretless bass
Michael Pipoquinha – bass
Adam Ratner – guitar
Giovanna Mottini – vocals, guitar
Belle Mottini – vocals, backing vocals
Marcelo Vaz – keyboards
Lucas Fê – drums
Bruno Coelho – percussion
Dionísio Souza – bass
João Brod – bass
Xandy Santos – bass
Dudu Morlin – flute
Vinicius Marinho – guitar
Letícia Roennau – backing vocals
Elisa Terra – backing vocals

Gustavo Virissimo - Reflexos
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