イヴァン・リンス全面参加!東京拠点の多国籍ビッグバンド、Banda Mandacarinho によるIvan Lins曲集

Banda Mandacarinho convida Ivan Lins

イヴァン・リンス本人が全面参加!Banda Mandacarinho 3rdアルバム

つい先日(2026年7月24日)、彼自身の悲願であったというサンバ・アルバムをリリースしたイヴァン・リンス(Ivan Lins)だが、そのわずか1ヶ月後に彼関連の新たなアルバムが届いた。ファンにとっては夢のような話だ。なぜなら、今作『Banda Mandacarinho convida Ivan Lins』はイヴァン・リンスの往年の名曲たちに焦点が当てられ、新たなアレンジで彼の歌が聴けるのだから…。 

アルバムの名義は、東京を拠点に活動するブラジル音楽専門のビッグバンド、バンダ・マンダカリーニョ(Banda Mandacarinho)。作編曲家の八木美楠子(やぎ みなこ)が率いる多国籍メンバーのバンドで、今作は通算3作目のアルバムとなる。今作ではイヴァン・リンス自身と彼と長く活動を共にするバンドを招聘し、リオデジャネイロと東京で録音を敢行。10曲すべてがイヴァン・リンスの楽曲というアルバムを作り上げた。

(2)「Emoldurada」は、歌手アン・サリー(Ann Sally)がデビュー作であり名盤『Voyage』(2001年)でカヴァーしたことで、日本国内でも一気に大人気となった楽曲だ。本作ではよりサンバを意識したアレンジが施されており、本当に何度聴いても美しく、幸せな気分にしてくれる名曲だと感慨深く聴きながら、演奏者のクレジットを見て驚いた。── Banda Mandacarinho の木管奏者スティーヴ・サックス(Steve Sacks)は、前述のアン・サリー版「Emoldurada」でクラリネットの素晴らしいソロを吹いていた方ではないか…。本作でのソロはトロンボーンとヴィブラフォンなので彼のソロはなさそうだが、こうした巡り合わせは音楽ファン冥利に尽きる。

(2)「Emoldurada」

(8)「Coragem Mulher」は、イヴァン・リンスの代表曲のひとつというだけではなく、Banda Mandacarinhoのリーダー・八木美楠子にとって、個人的に非常に大きな意味を持つ曲だという。彼女は過去のインタビューで、人生の中で寂しさを感じ進むべき道を失っていた時期に、まだポルトガル語をほとんど理解できなかったにもかかわらず、この曲からエネルギーをもらい、「前に進もう、音楽をやっていこう」という気持ちをもらった、と語っている。

(4)「Ai Ai Ai Ai Ai」や、(6)「Somos Todos Iguais Nesta Noite」といったイヴァン・リンス屈指の名曲のアレンジも優れている。ご存知のように、イヴァン・リンスの音楽はオリジナルが既に個性が異常に強く、アレンジも完璧と思えるものだが、オリジナルの時代性による若干のサウンドの古さを刷新するだけでなく、アレンジャーとしての個性を付加する八木美楠子のアレンジが素晴らしい。

(6)「Somos Todos Iguais Nesta Noite」

はっきり言って今作は、単に“イヴァン・リンスの名曲の再解釈”という次元を超える。
イヴァン・リンス本人や彼のバンドの参加という点も含めて、MPB全盛期の音楽家たちの中でも一際個性的なイヴァン・リンスの“新たなマスター・ピース”として語られるべき作品だ。

Banda Mandacarinho プロフィール

バンダ・マンダカリーニョは、東京を拠点に活動する最大16人編成のブラジリアン・ビッグバンド。ジャズやブラジリアン・アンサンブルを学んだ八木美楠子(Minako Yagi)が2011年に結成し、ブラジル音楽の豊かなリズムとハーモニーをジャズ/ビッグバンドのアレンジで表現している。

日本、ブラジル、キューバ、アメリカ、カナダなど多国籍のミュージシャンで構成され、駐日ブラジル大使館の後援を受けながら東京を中心に活動。2017年に『Um Pouquinho de Carinho ~ A Little Bit of Love』、2020年に『Luz Brasileira』を発表し、2026年にはイヴァン・リンスを迎えた3rdアルバム『Banda Mandacarinho convida Ivan Lins』をリリースした。

Ivan Lins プロフィール

イヴァン・リンスは1945年ブラジル・リオデジャネイロ生まれのシンガーソングライター/鍵盤奏者。
父は海軍の技術者で、リオの士官学校での研究をマサチューセッツ工科大学の大学院で行っていたため、幼少期に数年マサチューセッツ州ボストンで暮らしている。

1970年に歌手エリス・レジーナ(Elis Regina)によって録音された「Madalena」が彼の最初のヒット曲となった。70年代以降、数多くのアルバムをリリースしており、特に『Modo Livre』(1974年)や『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)などはMPBの歴史に残る名盤と言われている。

ボサノヴァなどのブラジル音楽にジャズ、フュージョン、AORなどを交えたサウンドが特徴的。
彼の楽曲は極めて複雑なコード・ヴォイシングやコード進行に定評があり、それでいて自然で美しいメロディーのセンスゆえにブラジルの音楽家の中でも個性的なアーティストとして知られている。

Ivan Lins – vocal

Fernando Monteiro – guitar
Marco Brito – piano
Nema Antunes – bass
Teo Lima – drums
André Siqueira – percussion

Banda Mandacarinho :
Steve Sacks – alto saxophone, flute, alto flute
Gustavo Anacleto – alto saxophone, soprano saxophone, flute
Andy Wulf – tenor saxophone, flute
宮木謙介 – baritone saxophone, flute
Luis Valle – trumpet, flugelhorn
奥村晶 – trumpet, flugelhorn
高瀬龍一 – trumpet, flugelhorn
竹内悠馬 – trumpet, flugelhorn
佐藤洋樹 – trombone
上杉優 – trombone
堂本雅樹 – bass trombone
鈴木千恵 – vibraphone

八木美楠子 – all arrangements

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