- 2022-09-04
- 2022-09-04
イスラエルの古典音楽にフォーカスしたジャズ・フュージョン。MOAVのデビュー作
『Moav』は古いヘブライの歌をカヴァーし現代的なアレンジと演奏で聴かせるイスラエルの4人組バンド、MOAVのデビューシングル。3曲のみの収録だが、イスラエルの伝統に寄ったテクニカルなジャズ/フュージョンのサウンドが非常に魅力的だ。バンドのリーダーはリモン音楽学校やテルマ・イエリン芸術学校などで講師を務めるエリ・ベナコット(Eli Benacot)。
『Moav』は古いヘブライの歌をカヴァーし現代的なアレンジと演奏で聴かせるイスラエルの4人組バンド、MOAVのデビューシングル。3曲のみの収録だが、イスラエルの伝統に寄ったテクニカルなジャズ/フュージョンのサウンドが非常に魅力的だ。バンドのリーダーはリモン音楽学校やテルマ・イエリン芸術学校などで講師を務めるエリ・ベナコット(Eli Benacot)。
フランスを代表する技巧派ベーシスト、エルヴィン・ビロニアン(Elvin Bironien)の2022年新譜『Lueurs』は、マルティニーク出身の鍵盤奏者グレゴリー・プリヴァ、ドラマーのティロ・ベルトロ、そしてキューバからはサックスのリカルド・イスキエルドを迎え、適度なリラックスの中でほのかにカリブ海の風が香る即興の妙技を聞かせてくれる爽快な作品だ。
もうめちゃくちゃカッコイイ音楽なんだけど、情報が少なすぎる…。トルコ出身のカーヌーン奏者/ヴォーカリスト/作曲のレヴェント・エルマス(Levent Elmas)の2021年作『Türbülans』。アルバムのタイトルはトルコ語で「乱気流」とのことだが、アーティスト名やバンド名、アルバム名さまざまな組み合わせで検索しても情報はほとんどヒットせず…
サズ奏者オルハン・オズグル・トゥラン(Orhan Özgür Turan)を中心としたデンマークの3人組バンド、Ipek Yolu。バンド名はトルコ語でシルクロードのこと。遥か昔ユーラシア大陸を東西に繋いでいた交易の道に喩え、彼らは絹ではなく音楽でユーラシア大陸だけでなく、世界を繋ごうとする。
2022年リリースのEP『Orient Express』でシネン・エイディネル(Sinem Aydıner)というトルコ出身のSSWの音楽を初めて聴いたが、ジャズやフュージョン、ファンクといったブラック・ミュージックと中東地域特有の奇数系変拍子のセンスの良い混合具合で一瞬で好きになってしまった。
ジャズとヒップホップの両分野で活躍するフランスのフルート奏者、リュディヴィーヌ・イッサンブール(Ludivine Issambourg)が彼女のバンド、アンチループス(Antiloops)を率いて制作した新譜『Supernova』。ジャケットやMVでの衣装はなかなかに強烈だが、アグレッシヴなフルート演奏を中心とした音楽の内容は申し分なくかっこいい。
カルナーティック音楽に精通し、ジャズやフラメンコ、ラテンといった様々な音楽へと発展的融合を試みるヴァイオリニスト/作曲家アプールヴァ・クリシュナ(Apoorva Krishna)の『Intuition』は驚きに満ちた作品だ。コンテンポラリー・ジャズと南インド音楽の融合と一言で片付けてしまうにはあまりに軽く、彼女がさまざまな音楽的実験を経て辿り着いた成果を斬新で心地よいリスナー体験にまで昇華させ届けてくれる大傑作。
ヨハネスブルグ生まれ、ギリシャ・クレタ島出身のヴァイオリニスト/作曲家マリア・マノウサキ(Maria Manousaki)の新作『Hidden Trails』は、現代ジャズのひとつの太い亜流の主役を担う多国籍のメンバーを集めた必聴盤だ。彼女の2015年作『Sole Voyage』もシャイ・マエストロやペトロス・クランパニスなど素晴らしい演奏家で構成されていたが、今作の面子も相当に興味を惹かれる。
ドイツの技巧派女性ドラマー/作曲家アニカ・ニルス(Anika Nilles)の新譜 『Opuntia』がリリースされた。全曲がアニカ・ニルスのオリジナルのインスト曲で、メトリック・モジュレーションや変拍子を駆使したテクニカルなフュージョン・サウンドと、特にドラムスの演奏においては手数が多く重たいビートを楽しめる好盤だ。
3月に80歳になったばかりのフローラ・プリムの2022年新譜『If You Will』。前作から実に17年ぶりだが、驚くことに歌も楽曲も全く翳りや衰えは感じられず、変わらずに“フローラ・プリム”としか言い表せない世界観が表現されている。「500 Miles High」などの名曲の再演も!
米国の女性ギタリスト/作曲家ジョイス・クーリング(Joyce Cooling)のデビュー作である『Cameo』。特に1曲目「It's You」での複雑ながらスムースで美しいギターのコードワークや表現力豊かなソロ、Viva Brasilのクラウディオ・アマラル(Claudio Amaral)の伸びやかなヴォーカルには心を大いに射ち抜かれた。
トルコの伝統的な笛、カヴァルをフィーチュアしたバンド、カピコ(KAPIKO)による新譜 『Nova』は、カヴァー曲を中心としつつもアナトリア〜バルカンの音楽的エッセンスを巧みに加えた個性的で楽しいエスノ・ジャズ・フュージョンだ。
スペインのチャップマン・スティック奏者トマス・メルロ(Tomás Merlo)のグループ名義として初のアルバム『Crisis』(2021年)。よほどの楽器好きでなければ、彼が弾く「チャップマン・スティック」という楽器の存在自体を知らないかも知れない。
一聴してインパクト絶大なサウンドにやられてしまうが、彼が叩くドラムスの奏法を知ればその驚異的なプレイスタイルにも驚きを禁じ得ない。フランスの打楽器奏者/作曲家ステファン・エドゥアール(Stéphane Edouard)のデビュー作である『Pondicergy Airlines』は、新しい音楽を知る悦びに満ちた途轍もないアルバムだった。