オーストラリア出身の気鋭SAX奏者、トロイ・ロバーツ『Nu-Jive Perspective』

Troy Roberts - Nu-Jive Perspective

洗練されたグルーヴがクセになる好盤

オーストラリア出身、現在はNYで活躍するテナーサックス奏者トロイ・ロバーツ(Troy Roberts)の2018年作『Nu-Jive Perspective』はジャズをベースに、ファンク、R&B、ラテンなどの要素をMIXした力強くグルーヴする演奏が魅力的な作品。

トロイ・ロバーツはサイドマンとしてこれまでにアレサ・フランクリン、ヴァン・モリソン、ジョーイ・デフランセスコ、クリスチャン・マクブライド、ジェフ・ワッツ等とステージを共にしてきた。リーダー作も2006年の『Void』を皮切りに8枚。すっかり中堅としての存在感を増し、NYではジョシュア・レッドマン(Joshua Redman)とも比較されるほどに信頼され引っ張りだこのプレイヤーだが、なぜか日本での知名度は今ひとつ。

彼のバンド「Nu-Jive」としては3枚目のアルバムとなる今作は、サックス、ギター、キーボード、ベース、ドラムスの5人編成で、即興を前提としつつも丁寧に作り込まれた楽曲が並んでいる。全曲がトロイ・ロバーツによるオリジナルで、非常に豊かな音色を使い分けるトロイのテナーサックスのソロはワイルドかつインテリジェントだ。

(8)「Through the Eyes of Psychoville」のスタジオセッション。
解像度の高いファンキーなグルーヴで始るが、途中幾度もリズムを変え、複雑な表情を魅せる面白い楽曲だ。

全体的にファンキー&グルーヴィーな楽曲ばかりで、楽曲も各メンバーのソロもハイセンス。ドライブのBGMとしても最適なアルバムではないだろうか。

Troy Roberts & Nu-Jive :
Troy Roberts – saxophone
Tim Jago – guitar
Silvano Monasterios – keyboards
Eric England – bass
Dave Chiverton – drums

Troy Roberts - Nu-Jive Perspective
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