デンマークの天才ギタリストTeis Semey、多国籍クインテットで発現する圧倒的センス

Teis Semey - Mean Mean Machine

デンマーク出身の若きギタリストTeis Semey、進化を見せつける新譜

2019年に『Where the Fence Is the Highest』でデビューしたばかりのデンマーク出身のギタリスト、ティース・シミー(Teis Semey)が早くも3枚目のアルバム『Mean Mean Machine』をリリースした。

冒頭曲(1)「Sun Song」から圧巻の展開だ。ティース・シミーのギターと韓国出身の女性ドラマー、ホン・ソンミ(Sun-Mi Hong)とがタイトに絡み合う複雑なリズムのイントロに始まり、スコットランド出身のアリステア・ペインAlistair Payne)のトランペット、スペイン出身のホセ・ソアレス(José Soares)のサックス、オランダ出身のヨルト・テルウィジン(Jort Terwijn)のベースが怒涛の如く雪崩れ込んでくる。ティース・シミーのギターの音色は終始支配的で、アドリブに入るとさらに主張を強め驚異的なフレーズを次々と繰り出してくる。

(2)「A Strange Absence of Birds」は冒頭曲と比べると音色は控えめだが、5拍子が強調された構造的に複雑な楽曲で、ここでもクインテットの強固なアンサンブル力が誇示される。

(2)「A Strange Absence of Birds」

アルバム収録の7曲はすべてティース・シミーの作曲。ギターがあまり前に出ずにハーモニーの妙で聴かせる(4)「Requiem」や、主役をトランペットに譲った(5)「Monday in Turquoise」といった楽曲もあり、先鋭的な側面を失わないままトータルでバランスのとれた作品に仕上がっている。

(3)「Bamboo Eyes」

Teis Semey プロフィール

ティース・シミーは1993年生まれ。7歳の頃からギターを始め、オランダのアムステルダム音楽院でジェシ・ヴァン・ルーラー(Jesse Van Ruller)に師事している。
前述の通り今作はクインテットの編成だが、国籍を超えて集ったメンバーはそれぞれがリーダーのバンドを持つほどの実力者。アドリブを聴いても各々の主張のせめぎ合いといったニュアンスも感じられ、それが今作でのよりスリリングなリスニング体験に密接に紐づいている。

Teis Semey – guitar
José Soares – alto saxophone
Alistair Payne – trumpet
Jort Terwijn – double bass
Sun-Mi Hong – drums

Teis Semey - Mean Mean Machine
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