Sinem Aydıner 『Orient Express』
2022年リリースのEP『Orient Express』でシネン・エイディネル（Sinem Aydıner）というトルコ出身のSSWの音楽を初めて聴いたが、ジャズやフュージョン、ファンクといったブラック・ミュージックと中東地域特有の奇数系変拍子のセンスの良い混合具合で一瞬で好きになってしまった。
EPは全4曲だが、彼女の魅力を伝えるには必要充分なボリュームだ。
メロウで都会的なサウンドの(1)「Hayat」に始まり、クセになる7拍子のリズムを軸とした(2)「Mercek」、美しい曲風とヴォーカルを堪能できる英語のバラード(3)「Bird」、インド音楽からスペインのフラメンコという広い地域的要素を孕み豊かな旅情を放つ5拍子の(4)「Dünya」はどれも新鮮な驚きに満ちている。
ヴォーカリストとしても音程の正確さ、声質、スキャットも交えた表現力など非常に魅力的。経歴などの詳細は残念ながら現時点で情報は少ないが、ぜひフルアルバムを聴いてみたいアーティストだ。
Tolga Bedir – keyboard
Semih Burcu – bass
Okan Duman – drums
Sinem Aydıner – vocal
Kemal Evrim Aslan – acoustic guitar
Guests :
Çağrı Singör – electric guitar (2)
Emrah Yılmaz – electric guitar (1, 4)