気鋭ギタリストのダン・ウィルソン、多様な音楽的嗜好を反映した新譜『Things Eternal』

Dan Wilson - Things Eternal

ダン・ウィルソン 4枚目のリーダー作『Things Eternal』

米国オハイオ州アクロンを拠点とするギタリスト/作曲家、ダン・ウィルソン(Dan Wilson)の新譜『Things Eternal』がリリースされた。アルバムには彼のオリジナルのほか、ジャンルや年代を問わない多様なカヴァーを収録。技巧的・創造的なギター演奏が生み出す、呑み込まれそうになるほどの圧巻のグルーヴで、天才的なプレイヤーが続々と現れるジャズ・ギター界で彼の名を強く印象付けるアルバムに仕上がっている。

冒頭を飾る(1)「Sticology」は、2022年に突然の心臓発作で亡くなったオルガン奏者であり、ダン・ウィルソンの恩師/友人のジョーイ・デフランチェスコ(Joey DeFrancesco、1971 – 2022)からのボイスメールで始まる。ここでダンは彼への追悼の意を表し、指針と使命を表明する。この曲は地元オハイオ州クリーブランドの人気奏者フィリップ・K・ジョーンズ2世(Phillip K. Jones II)の作曲によるものだ。

ビートルズのカヴァー(3)「Eleanor Rigby」やハービー・ハンコックのカヴァー(9)「Tell Me a Bedtime Story」も秀逸。スウィングするオールドタイプのグルーヴ感が心地よく、洗練されたハーモニー感覚や研ぎ澄まされたソロも彼の音楽の醍醐味となっている。

ビートルズの名曲のカヴァー(3)「Eleanor Rigby」

数曲ではゲスト・ヴォーカリストも参加。スティーヴィー・ワンダーの(8)「Smile Please」や、ラストのスティング(Sting)の(12)「Let Your Soul Be Your Pilot」のソウルフルな演奏もダン・ウィルソンの多様な嗜好を反映し、アルバムに彩りと深みを与えている。

Dan Wilson – guitar
Glenn Zaleski – Fender Rhodes
Brandon Rose – bass
David Throckmorton – drums

Guests :
Theron Brown – organ (11, 12)
Nigel Hall – vocals (12)
Durrell LeGrair – vocals (8, 12)
Tommy Lehman – vocals (8, 12)
Jessica Yafanaro – vocals (6, 8, 12)

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