TAG

ネオソウル

  • 2022-11-27
  • 2022-11-27

本能を踊らせる音楽。ジャイルス・ピーターソン&ブルーイのプロジェクト新作『STR4TASFEAR』

本能を躍らせるような音楽である。ロンドンの最重要DJ、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)と、インコグニートのブルーイ(Jean-Paul ‘Bluey’ Maunick)の共同プロジェクトであるストラータ(STR4TA)の新作『STR4TASFEAR』を聴いて、あまりに狙い澄ました完璧な完成度に最初はこのアルバムを紹介するのは控えておこう…と思ったほどだ。

  • 2022-10-30
  • 2022-10-28

ソマリアにルーツを持つUK新星SSWサーラ・グー。豊かな文化的感性が生み出す注目の新作

ドイツ人でクリスチャンで白人の母と、ソマリア人でムスリムで黒人の父との間にベルリンで生まれ、現在はUKで活動するシンガーソングライター、サーラ・グー(Sahra Gure)が素晴らしい。2022年に2作目となる新作EP『Stolen Moments』をリリース。新作ではサウンドもソングライティングもますます洗練されており、R&Bやネオソウル、ジャズの混淆であり適度にキャッチー&ポップな感性は、あらためて新世代の最注目音楽家であることを知らしめる。

  • 2022-09-15
  • 2022-09-14

スピリチュアルなインディアン・スロウ・ソウルの新たな旗手、Raveena

米国生まれながら、インドにルーツをもつ歌姫ラヴィーナ(Raveena)はメジャーデビュー作のタイトルを 『Asha’s Awakening』とした。この物語の主人公アシャのモデルはアシャ・プスリだ。今作は遥か遠く古代のパンジャーブの宇宙王女が、数世紀に渡る旅を通じた愛と喪失を経て、その後の癒しと破壊について学ぶというコンセプトを具現化している。

  • 2022-08-27
  • 2022-08-27

テルアビブのネオソウル最前線 J.ラモッタ すずめ、全編ヘブライ語で挑む最新作

モロッコ系イスラエル人のSSW、J.ラモッタ すずめの2022年新譜『So I've heard』。これまでは英語詞での音楽表現をメインに活動してきた彼女が初めてほぼ全編で母国語であるヘブライ語を用い、ヒップホップ/ネオソウルの明瞭なサウンドに中東音楽のエッセンスも適度に取り入れた意欲作となっている。

  • 2022-08-15
  • 2023-11-19

個性的なブラジリアン・ネオソウルで輝くSSWシェニア・フランサ、極上のサウンドで聴かせる2nd

ブラジル・バイーア生まれのシンガーソングライター、シェニア・フランサ(Xenia França)が2ndアルバム『Em Nome da Estrela』をリリースした。前作『Xenia』(2017年)はここ日本でもアフロ・ブラジル系ネオソウルの傑作として高く評価されたが、今作も伝統的なブラジルの多彩なリズムに現代的なサウンド、ソフトな歌声が相まって極上のヴォーカル・アルバムに仕上がっている。

  • 2022-05-14
  • 2023-10-07

エレクトロ×エレクトロが生み出す新たなソウルミュージック。不思議な高揚感に包まれるプロデューサーデュオによる快作

新型コロナウイルスの影響で日程を延期しての開催となった2022年グラミー賞。王者ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)率いるシルク・ソニック(Silk Sonic)が主要部門で強さを見せる中、ジョン・バディステ(Jon Batiste)の最多5部門受賞がサプライズを起こしたのは記憶に新しいのではないだろうか。最優秀アルバム賞に輝いた『We are』の楽曲「Sing」を共作・プロデュースしたのが、ザック・クーパー(Zach Cooper)とヴィック・ディモツィス (Vic Dimotsis)のプロデューサーデュオ、キング・ガービッジ(King Garbage)。彼らは同グラミー賞にノミネートされたリオン・ブリッジズ(Leon Bridges)の楽曲「Sweeter」でもペンを執る、まさに今後のアメリカン・ソウルを牽引していくと言っても過言ではないアーティストだ。

  • 2022-05-02
  • 2022-05-02

ネオソウルを奏でるマルチジャズバンド・Moonchildが放つ甘美な果実、最新作『Starfruit』

南カリフォルニア大学在学中に結成された新世代ネオ・ソウルバンド、ムーンチャイルド(Moonchild)の最新作『Starfruit』が今年リリースされた。フロントマンであり紅一点のボーカル、アンバー・ナヴラン(Amber Navran)をはじめ、マックス・ブリック(Max Bryk)、アンドリス・マットソン(Andris Mattson)とメンバー全員がマルチプレイヤーであるムーンチャイルドの最新作は、心地よいメロウネスはそのままに、我々にまた新たな色を見せてくれる。

  • 2022-01-18
  • 2022-01-18

JAZZの枠を軽々と飛び越えた若き天才Jacob Collierが見せた音楽の世界旅行。2019年作『Djesse vol.2』

若くして、その才を世界に見せつけた天才。それが「神童」の定義だとするのならば、ここにもう一人の「神童」をご紹介したい。英国出身のマルチアーティスト、ジェイコブ・コリアー(Jacob Collier)。奇しくも大谷・羽生と同じ27才もまた、世界に大きく羽ばたこうとしている。ここではコリアーの作品の中でも最もワールドミュージックの色濃い2019年作『Djesse Vol.2』(ジェシーVol.2)をご紹介したい。

  • 2022-01-09
  • 2022-01-11

【特集】天才ラッパーにして天才クリエイター。Tyler, the Creator、珠玉のメロウネス10選

今から約10年前。タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)が、デビュー作『Goblin』で発表した楽曲「Yonkers」はあまりにも衝撃的だった。2011年のビルボードチャートと言えば、LMFAOの「Party Rock Anthem」に代表されるようにEDM真っただ中。そんな中、MVのインパクトもさることながら「Yonkers」はウータン・クランの再来かと思うくらいのミニマルでスリリングなサウンドとクオリティで、シーンに殴り込みをかけてきたのだ。

  • 2021-04-25
  • 2023-04-30

ヒップホップからJAZZに目覚めた気鋭鍵盤奏者、UKジャズ先端を行く新譜

ジャズピアニストであり、同時にヒップホップのMCでもあるという肩書きを持つミュージシャンを探すことは容易ではないが、ロンドンの鍵盤奏者/SSW/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)は、これまでに2017年のデビュー作『Antiphon』などでそれらを両立する稀有な才能を示し証明してきた数少ないアーティストのひとりだ。

  • 2020-11-25
  • 2020-11-23

ドイツ×南アフリカのネオソウル、Seba Kaapstad 新譜

南アフリカ、エスワティニ(旧国名:スワジランド)、そしてドイツ出身のメンバーからなるネオソウル・ユニット、セバ・カープスタッド(Seba Kaapstad)の3rdとなる新譜『Konke』は、ネオソウル、ヒップホップ、ジャズがハイレベルに融合した注目の1枚だ。

  • 2020-11-24
  • 2020-11-23

才媛ジョージア・アン・マルドロウ、たったひとりのジャズバンド“Jyonti”新譜

米国の作曲家/マルチ奏者/シンガーのジョージア・アン・マルドロウ(Georgia Anne Muldrow)のプロジェクト、Jyontiによる新譜『Mama, You Can Bet!』。バンドサウンドのようだが、完全に彼女たったひとりの驚くべき“ジャズバンド”である。ジョージア・アン・マルドロウは5曲目でのサックス以外の全ての楽器、声をひとりで演奏し、特異な才能を見せつける。