イランの作曲家/ピアニスト、Hamzeh Yeganeh
ペルシャの伝統音楽とジャズやロックを融合したスタイルで知られるイラン・テヘラン出身のピアニスト/作曲家、ハムゼ・イェガネ（Hamzeh Yeganeh）の新譜『Faalhaa』は、あまり知られていないペルシャ地域のジャズということでとても興味深い作品だ。
ハムゼ・イェガネはこれまでに多数のアルバムをリリースしているイランを代表するジャズピアニストで、今作は2020年12月リリースの『Every Day』に続く短いスパンでの新作となっている。
アルバムは全編オリジナル曲で、マルチ奏者カヴェ・サルヴァリアン（Kaveh Sarvarian）やベース奏者アリン・ケシシ（Arin Keshishi）、さらにフレットレスとフレッテッドのダブルネックのギターがトレードマークの盟友マハン・ミララブ（Mahan Mirarab）など個性的なゲストを迎えている。
ハムゼ・イェガネのピアノやシンセを含めサウンドは全体的にアメリカのジャズ/ファンク/フュージョンの流れを汲むが、カヴェ・サルヴァリアン参加の(1)「Let’s Play」や(4)「Faalhaa」などはペルシャの伝統音楽色も強く出ており面白い。
（本作未収録曲）
ハムゼ・イェガネ 略歴
ハムゼ・イェガネがクラシックピアノを始めたのは17歳の頃から。最初の教師は叔父のヴァヒド・イェガネ（Vahid Yeganeh）だった。その後アルメニアのピアニスト、ガギク・ババヤン（Gagik Babayan）に師事している。
ジャズやプログレッシヴ・ロックを好み、彼に最大の影響を与えたのはキース・エマーソン（Keith Emerson）だった。2003年にテヘラン芸術大学で作曲を学び、独学でジャズピアノを開始。同時にアルメニアの著名なピアニスト、ヴァハグン・ハイラペティアン（Vahagn Hayrapetian）のワークショップに参加するなど経験を積み、2007年にジャズギタリスト、マハン・ミララブ（Mahan Mirarab）とドラマーのアミン・タヘリ（Amin Taheri）とともにナイマ・ペルシアン・ジャズバンド（Naima Persian Jazz Band）を結成した。