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2026

  • 2026-02-18
  • 2026-02-18

多様な要素を取り入れ、洗練されたブラジルの新世代ジャズをリードするTb奏者ジョアべ・ヘイス新作

ブラジルのトロンボーン奏者/作曲家ジョアべ・ヘイス(Joabe Reis)の新譜『DRIVE SLOW - A ÚLTIMA DAS FANTASIAS』は、ジャズを基調にファンクやヒップホップ、UKガラージ、エレクトロニックなどの要素を取り込んだハイブリッドなサウンドが鋭くも心地良い、要注目の作品だ。高度な作曲や演奏の技術、それを洗練されたサウンドに仕立て上げるプロダクションが完璧に噛み合い、最高に魅力的なアルバムだ。

  • 2026-02-17
  • 2026-02-17

ロンドンのオルタナ・ジャズシーンの新鋭モモコ・ギル 初のソロアルバム『Momoko』

米国オックスフォードで生まれ、京都や横浜、そして米国サンタバーバラで育ち、現在はロンドンを拠点とする音楽家モモコ・ギル(Momoko Gill, ギル桃子)のソロデビュー・アルバム『Momoko』が2026年2月にリリースされた。多文化環境で豊かな感性を育み、長年UKのエレクトロニック/ジャズシーンの“秘密兵器”と囁かれた彼女のデビュー作は、実験音楽やエレクトロ・ミュージックだけでなく、多様なシーンから影響を受けたシンガーソングライターとしての充実ぶりが垣間見える劇的な作品となっている。

  • 2026-02-14
  • 2026-02-14

ブルーノ・ペルナーダス、5年ぶり新譜は最強のアヴァンポップ快作!『unlikely, maybe』

おそろしいほどの完成度のアルバムだ。ポルトガル・リスボンの鬼才、ブルーノ・ペルナーダス(Bruno Pernadas)の2026年新作『unlikely, maybe』は、さまざまなジャンルのごった煮を押しも押されもせぬ“ポップス”に仕立て上げる彼の才能が際立つ。前作『Private Reasons』がパンデミック渦中の2021年のリリースだから、実に5年ぶりの満を持しての新作。ジャズやサイケロックを基軸にブラジル音楽やハイライフ、ダブといった要素も混在させ、細部まで音楽的にも音響的にも凝ったことをやっていながら、純然たるポップスとして機能する驚くべき作品だ。

  • 2026-02-12
  • 2026-02-11

女性たちの歴史的トラウマ「結婚」についての深い考察。マガリ・サーレの壮大な音楽抒情詩

カタルーニャのシンガーソングライター、マガリ・サーレ(Magalí Sare)の2026年新譜『DESCASADA, Vol. 1』は、単なる美しい楽曲のコレクションではない。これは、数世紀にわたり女性を縛り付けてきた「結婚」という制度、そしてそこからの解放を巡る、壮大な音楽的人類学の試みであり、アーティストとしての彼女にとって重要なマイルストーンでもある。

  • 2026-02-09
  • 2026-02-07

南アフリカ出身、NYで活躍する気鋭歌手ナレディ 孤独と向き合う2nd EP

南アフリカ・ヨハネスブルク出身、現在はニューヨークで活動するシンガーソングライター、ナレディ(Naledi)の2nd EP『Darkness, my old friend.』は、アルバムの標題としてもその歌詞を引用するサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)のカヴァー(1)「Sounds of Silence」で幕を開ける。テーマは“孤独(Loneliness)”と、“独りでいること(Aloneness)”の違い、あるいはその両方について。

  • 2026-02-07
  • 2026-02-07

「すべての探求者のための前奏曲」から「国民の懺悔」へ──。ティグラン・ハマシアンが投影する、自己と現代社会の肖像

儀式的で不穏なシークエンスに導かれる「すべての探求者のための前奏曲」から、荘厳なクワイアとピアノによる切実な祈祷「国民の懺悔の賛歌」まで──。現在の音楽シーンにおいて常にトップランナーであり、他の追随を許さないアルメニアの孤高の才ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)は、2026年の新譜『Manifeste』で、深く入り組んだ自己省察を細部まで美しく構築された音楽を通して、そのまま現代社会の混迷した複雑性へと投影してみせる。

  • 2026-02-05
  • 2026-02-05

現代最高峰のヴァイブ奏者ジョエル・ロス、聖書をテーマにした渾身の新譜『Gospel Music』

現代最高峰のヴィブラフォン奏者/作曲家ジョエル・ロス(Joel Ross)の2026年新譜『Gospel Music』は、単なるジャズ・アルバムではない深みを湛える。これはシカゴのブラック・チャーチで育った彼の魂の告白であり、聖書の物語を音の糸で紡ぎ直した、現代の賛美歌集だ。

  • 2026-01-31
  • 2026-01-25

ジュリアン・ラージ新作はジョン・メデスキ参加のアメリカーナ・ジャズ。『Scenes From Above』

米国のギタリスト、ジュリアン・ラージ(Julian Lage)の新作『Scenes From Above』は、彼が2024年末から取り組んでいる“ライティング・スプリント(writing sprint)”の素晴らしい成果だ。短時間──なんと、20分に1曲を書くというルールだった──で集中的に多くの曲を書いた彼は、レコーディングの候補曲を50曲ほどに絞り、プロデューサーのジョー・ヘンリー(Joe Henry)に共有して今回のバンドが強調すべきことは何か、そこに色彩と動きをどう加えられるかについて綿密に打ち合わせたうえでレコーディングを敢行した。

  • 2026-01-21
  • 2026-01-21

一種独特の洗練された現代ムガームジャズ。エティバル・アサドリ、自己を探求をテーマに掲げる新譜

現代ムガームジャズの旗手であるピアニスト/作曲家エディバル・アサドリ(Etibar Asadli)の2026年新譜『WYA』は、アゼルバイジャンのアイデンティティたるムガームジャズが醸す独特の東欧・中東・西アジアの文化境界的テクスチャーと、エレクトロニックやヒップホップ、アンビエントなどの複合的な音楽要素が絡み合う、一種独特な洗練を見せた興味深い作品だ。

  • 2026-01-20
  • 2026-01-20

新作はなんと”ボサノヴァ”!? ブラジルのポップスター、ルイーザ・ソンザが時代を超える歌を歌う

ブラジルの人気ポップ歌手ルイーザ・ソンザ(Luísa Sonza)の新作が話題となっている。アルバムは2026年1月13日にリリースされた直後、24時間以内にiTunes BrasilとApple Musicで1位。ポルトガルでトップ10、アルゼンチン、パラグアイ、アンゴラ、モザンビーク、トルコでも上位に入るなど世界的な注目を集めている。

  • 2026-01-18
  • 2026-01-17

NYの地下ジャズシーンの雄イルハン・エルシャヒン、アナドルロックも取り込んだ注目の新作

トルコにルーツを持つスウェーデン出身のサックス奏者/作曲家であり、2000年代にニューヨーク・マンハッタンのライヴハウス、ヌブル(Nublu)の音楽文化を牽引したイルハン・エルシャヒン(İlhan Erşahin)の6枚目となるアルバム『Istanbul Sessions: Mahalle』がリリースされた。トルコの音楽に影響されたプロジェクト『Istanbul Sessions』(2010年)の続編であり、リリース元はもちろん、彼が2005年に設立したヌブル・レコード(Nublu Records)。

  • 2026-01-10
  • 2026-01-10

多文化の狭間で生きる葛藤を生々しく音楽表現に変換。新世代鬼才ギタリスト、ルイ・マトゥテ 5th

2026年、最初の要注目作品のひとつだと全力で推したい。スイス・ジュネーヴ出身のギタリスト/作曲家ルイ・マトゥテ(Louis Matute)の第5作目となるアルバム『Dolce Vita』は、自身のルーツであるホンジュラスや音楽的な最大の影響源のブラジルの文化、ジャズのアイディアや技巧、70年代風のサイケロックなどの影響が繊細に絡み合った極上のタペストリーのような傑作だ。