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ヴァイオリン

  • 2023-03-31
  • 2023-03-31

最後のイディッシュ・タンゴ──想像を絶する暴力の史実を後世に伝えるための音楽

カナダのパヤドラ・タンゴ・アンサンブル(Payadora Tango Ensemble) の新譜『Silent Tears: The Last Yiddish Tango』は、ナチス占領下のポーランドでホロコーストを生き延びた人々の記憶と詩で辿る想像を絶する深い悲しみの物語を、ヴァイオリンやピアノ、バンドネオンを中心としたタンゴで歌う傑作だ。

  • 2023-03-24
  • 2023-03-22

カナダ在住シリア人音楽家たちの楽団タラフ・シリアーナ、荒廃した祖国への想いを込め奏でる音楽

東欧や中東にルーツを持つカナダ在住の4人の音楽家が集い、ルーマニアやシリアの音楽に影響された演奏をするタラフ・シリアーナのデビュー作『Taraf Syriana』。アラビア音階に調律され微分音も特徴的なカーヌーンや、アラブの打楽器ダラブッカで中東音楽を特徴づけつつ、アコーディオンやヴァイオリン、チェロはロマ音楽を表現し、なんとも言えない無国籍感が漂う面白い音楽だ。

  • 2023-01-25
  • 2023-01-25

ディアスポラの切なる想いと願いを歌うBlack Ox Orkestar 再結成!15年ぶりの新譜リリース

ユダヤ系のディアスポラである4人のメンバーで構成されたカナダのバンド、ブラック・オックス・オーケスター(Black Ox Orkestar)が実に15年ぶりとなる新作『Everything Returns』をリリースした。バンドは2000年にモントリオールで結成され、2006年までに2枚のアルバムをリリースしていたが同年に解散。今作は2021年に再結成されてから最初の作品となる。

  • 2023-01-12
  • 2023-01-07

エリア・バスティーダ、巨匠ステファン・グラッペリに捧げるマヌーシュ・スウィング

スペインのヴァイオリン奏者、エリア・バスティーダ(Èlia Bastida)によるステファン・グラッペリ・トリビュート『Tribute to Stéphane Grappelli』。ともにサン・アンドレウ・ジャズバンドの指導者であるベース奏者ジョアン・チャモロ(Joan Chamorro)とギター奏者ジョゼップ・トレイバー(Josep Traver)とのトリオを軸に優美なジプシー・スウィングを堪能できる作品だ。

  • 2022-08-11
  • 2022-08-10

ポップ感覚も素晴らしい女性4人組フラメンコ・ミクスチャー、Las Migas 2022年新譜『Libres』

シルビア・ペレス・クルスが在籍していたことでも知られるスペイン・バルセロナの女性4人組バンド、ラス・ミガス(Las Migas)の2022年新譜『Libres』。フラメンコを軸に豊かな曲種、かつポップスとして楽しめる親しみやすさのある全10曲は「海、陸、空気、火の匂い、自由な愛、希望、女性の強さ」をテーマとしている。

  • 2022-07-26
  • 2022-07-25

ブラジルのコントラバス奏者ジョアン・タウブキンによる美しき室内楽ジャズ

ブラジルのベース奏者/作曲家ジョアン・タウブキン(João Taubkin)の新作『Coreografia do Encontro』は、ヴァイオリンのヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)、クラリネットのアレシャンドリ・ヒベイロ(Alexandre Ribeiro)、ピアノのゼー・ゴドイ(Zé Godoy)という名手を迎え、ドラムレスのカルテットで演奏される美しい室内楽的ジャズ作品だ。

  • 2022-07-22
  • 2022-07-21

ルネサンス・ヴァイオリンが美しく響く、アダム・バウディヒによるポーランドの伝説的作曲家再解釈

ポーランドのジャズ・ヴァイオリン奏者/作曲家アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、自身のクインテットに加えゲストにクラシック・ヴァイオリン奏者アガタ・シムチェフスカ(Agata Szymczewska)を迎え制作した新譜『Legend』。ヘンリク・ヴィエニャフスキからインスピレーションを受け作曲された珠玉の音楽。

  • 2022-07-08
  • 2022-07-18

鍵盤楽器とハベッカで紡ぐブラジルの素朴な音風景。アンドレ・メマーリ&カタリーナ・ロッシ

ピアニスト/作曲家のアンドレ・メマーリ(André Mehmari)と、ハベッカ(ヴァイオリン)奏者のカタリーナ・ロッシ(Catarina Rossi)の共演作『Arco de Rio』。洗練されていながら素朴さも感じさせる、クラシックやブラジル北東部の伝統音楽にインスパイアされた歌心溢れる美しい音が散りばめられた素敵なアルバムだ。

  • 2022-05-21
  • 2022-10-01

南インド音楽と現代ジャズの驚くべき融合、才媛アプールヴァ・クリシュナのグローバル・デビュー

カルナーティック音楽に精通し、ジャズやフラメンコ、ラテンといった様々な音楽へと発展的融合を試みるヴァイオリニスト/作曲家アプールヴァ・クリシュナ(Apoorva Krishna)の『Intuition』は驚きに満ちた作品だ。コンテンポラリー・ジャズと南インド音楽の融合と一言で片付けてしまうにはあまりに軽く、彼女がさまざまな音楽的実験を経て辿り着いた成果を斬新で心地よいリスナー体験にまで昇華させ届けてくれる大傑作。

  • 2022-05-20
  • 2022-05-18

クレタ島の歴史を辿る多国籍プロジェクト。ギリシャのヴァイオリン奏者マリア・マノウサキ新譜

ヨハネスブルグ生まれ、ギリシャ・クレタ島出身のヴァイオリニスト/作曲家マリア・マノウサキ(Maria Manousaki)の新作『Hidden Trails』は、現代ジャズのひとつの太い亜流の主役を担う多国籍のメンバーを集めた必聴盤だ。彼女の2015年作『Sole Voyage』もシャイ・マエストロやペトロス・クランパニスなど素晴らしい演奏家で構成されていたが、今作の面子も相当に興味を惹かれる。

  • 2022-04-13
  • 2022-04-12

ポルトガルのSSWマヌエル・マイオ、温かな声とサウンドが素晴らしいソロデビュー作

温かく魅力的な声を持つポルトガルのSSW/ヴァイオリン/マンドリン奏者マヌエル・マイオ(Manuel Maio)のソロデビュー作『Sem Olhar ao Tempo』がリリースされた。彼の音楽はポルトガルの伝統音楽ファドをルーツに、米英のフォーク・ミュージックやブラジル音楽などが混在する。

  • 2021-12-23
  • 2021-12-19

ジャンルを縦横無尽!人気ヴァイオリン奏者アラ・マリキアンの新譜『Ara』

ジャンルを縦横無尽に飛び越えヴァイオリンの可能性を探求するレバノン出身のアラ・マリキアン(Ara Malikian)が自身の名を冠した新譜『Ara』をリリースした。今作もジャズ、フラメンコ、プログレッシヴ・ロック、ヒップホップなど充分すぎるほどの多様性を盛り込んだ、彼らしい破天荒な作品となっている。