北欧発の現代グルーヴ『Mosambique』。ジャズ、ファンク、クラブミュージックが渾然一体

Mosambique - Big City Moves

北欧発の現代グルーヴ・ジャズバンド、モザンビーク

スウェーデンのキーボード奏者/作曲家、イヴァン・ブロンクヴィスト
Ivan Blomqvist)率いるクインテット、モザンビーク(Mosambique)が2019年3月のデビューアルバム『Big City Moves』でいきなり現代ジャズシーンに鮮烈な衝撃をもたらした。

アーバンジャズ、アフロビート、ファンク、さらにはEDMといった彼らを構成する音楽的な要素が渾然一体となり怒涛のごとく押し寄せる。スピリチュアルなイントロに導かれるグルーヴィーな序章(1)「Big City Moves」、そして強烈なシンセと、特にサックスソロにヒューマンビートボックスのエッセンスを取り込んだ(2)「Mr. Cool」を聴けば、彼らが注目に値すると発見することができるだろう。サックス、トランペット、鍵盤、ベース、ドラムスという古典的なジャズバンドの編成だが、この奇を衒わない編成から繰り出される音楽がコレなのだから驚かされる。(7)「That’s Too Fast」の畳み掛けるようなサウンドも最高に気持ちいい。

サウンドは全体的にグルーヴ重視、シンセや解像度の高いドラミングで現代的だが、トランペットとサックスの2管はニューヨークやロンドンの現代ジャズシーンとも空気の異なる北欧的な感性と音色でソロをとり、その対比も面白い。

(2)「Mr. Cool」が流れるティーザー動画。
ライヴ演奏での(2)「Mr. Cool」
(4)「The Underdog」のライヴ演奏。

バンドは全曲の作曲とキーボード/シンセを担当するスウェーデン出身のイヴァン・ブロンクヴィスト(1986年生まれ)以外はノルウェー出身の若手ミュージシャンによって構成されている。トランペットのLyder Øvreås Røedは2019年に初のリーダー作『The Moon Doesn’t Drink』をリリースするなど、ノルウェーのコンテンポラリージャズの新星としても注目を浴びる。

Mosambique :
Ivan Blomqvist – keyboards
Lauritz Lyster Skeidsvoll – saxophone
Lyder Øvreås Røed – trumpet
Kristian B. Jacobsen – bass
Henrik Lødøen – drums

Mosambique - Big City Moves
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