Música Terra が選ぶ 2021年ベストアルバムTOP10

2021年ベストアルバムTOP10

Música Terra(ムジカテーハ)を主宰するlessthanpandaが選ぶ2021年のベストアルバム。
総評はweb版ラティーナ『e-magazine LATINA』に書いています。

第10位:432 / Assaf Amdursky(イスラエル)

多様な音楽的バックグラウンドを誇るイスラエルのSSWアサフ・アムダースキー(Assaf Amdursky)の通算8作目となる2021年新譜『432』。豊かな感性に導かれたキャッチーで心地良い超良質イスラエルロック/ポップで、ドライブのBGMに重用しました。

第9位:У заветного столба / Settlers(ロシア)

ロシアの音楽シーンはあまりウォッチできてなかったのですが、今年見つけたこのSettlersや、モスクワの11人組バンドhodíla ízbaはかなり刺さりました。ともに現地の伝統音楽に現代的で斬新な解釈を加えたバンドですが、Settlersのデビュー作『У заветного столба』でのアグレッシヴな楽曲展開や演奏には特にシビれました。

第8位:Laroyê / Àbáse(ハンガリー)

ブラジル音楽に強くインスパイアされたハンガリー発のプロジェクト、Àbáse の1stアルバム『Laroyê』も今年最も印象に残った作品のひとつ。土着的な香りが強い現代の音楽で、全編を通じて特異な高揚感がたまらないアルバムです。

第7位:Purest Form / James Francies(USA)

現在進行形のNYジャズを代表する素晴らしいミュージシャンが多数参加したジェイムズ・フランシーズ(James Francies)の2ndアルバム『Purest Form』は、とにかくカッコ良かった!オリジナルも素晴らしいですが、個人的には「My Favorite Things」のカヴァーにゾクゾクしました。

第6位:Mugham / Etibar Asadli(アゼルバイジャン)

ムガームを演奏するのに最適な調律を施したピアノで個性的なジャズを聴かせてくれるエティバル・アサドリ(Etibar Asadli)。数年前から彼の音楽に心酔しアルバムリリースの度に推していましたが、今年の新譜『Mugham』は彼のキャリア最高の傑作だと思います。ベースにクリス・ジェニングス、ドラムスにオフリ・ネヘミヤという人選も最高!

第5位:Meraki / Carolina Alabau & Elia Bastida(スペイン)

とにかく“美しい”としか形容のしようのないアルバム。ヴォーカリストのカロリーナ・アラバウ(Carolina Alabau)と、サン・アンドレウ音楽学校出身のヴァイオリン奏者エリア・バスティーダ(Elia Bastida)の初めてのデュオ盤 『Meraki』。完成度パーフェクト、です。

第4位:Un Canto por México, Vol. II / Natalia Lafourcade(メキシコ)

メキシコの歌姫ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)の近年の活動は本当に素晴らしい。個人的に好きな曲が多かったこともあって、『Un Canto por México, Vol. II』は今年よく聴いた作品のひとつとなりました。カエターノ・ヴェローゾのゲスト参加も。

第3位:A Pegada Agora É Essa / Antônio Neves(ブラジル)

めちゃめちゃクレイジーで最高だったのが、ブラジル・リオのトロンボーン奏者/ドラマー、アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)の新譜『A Pegada Agora É Essa (The Sway Now)』。気鋭のミュージシャンが何人も参加し果てしなく拡張し続ける音楽の多様性を象徴するようなカオスなサウンドが展開されます。

第2位:Planet / Isfar Sarabski(アゼルバイジャン)

深く深く、壮大なスケールの音の渦に飲み込まれるような圧巻の演奏。アゼルバイジャンの若手ピアニスト、イスファール・サラブスキ(Isfar Sarabski)のソロデビュー作『Planet』は本当に素晴らしかった。アラン・ハンプトン(b)、マーク・ジュリアナ(ds)とのトリオを軸に、曲によっては弦楽オーケストラやアゼルバイジャンの民族楽器なども。ただの音楽にとどまらない物語を感じさせてくれます。

第1位:Kids / Noga Erez(イスラエル)

今年はノガ・エレズ(Noga Erez)がイスラエルの新たなカリスマ・時代のアイコンとして大きく飛躍した一年でした。3月リリースの待望の新譜『Kids』、そして11月には同作収録曲を非エレクトロニック・アレンジした『KIDS (Against the Machine)』もリリースしアーティストとしての魅力を格段にアップした印象。退廃的でディストピア・ポップとも呼ぶべき世界観が今後どのように拡がっていくか、とても楽しみです。

関連記事

2021年ベストアルバムTOP10
Follow Música Terra