Música Terra が選ぶ 2022年ベストアルバムTOP10【lessthanpanda編】

2022 best album

Música Terra(ムジカテーハ)を主宰するlessthanpandaが選ぶ2022年のベストアルバム。
今年もほぼ毎日、新しく聴いて何かしら感じるもののあった音楽作品を当サイトにて紹介してきましたが、その中でも特に感銘を受けた作品群です。判断基準は自分の耳のみ!
総評はweb版ラティーナ『e-magazine LATINA』に書いています。

第10位:Inglish / Shubh Saran(インド)

インド出身、NYを拠点に活動するギタリスト/作曲家、シュブ・サラン(Shubh Saran)の2枚目のフルレンス・アルバム『Inglish』。急速に混ざり合うグローバル社会の中で困惑しながらも融け込ませていくアイデンティティの苦悩の現在地を表現した大傑作です。

第9位:Everything I Know About Love / Laufey(アイスランド/中国)

アイスランドと中国にルーツを持つ新世代のシンガーソングライター、レイヴェイ(Laufey)。ピアノ、ギター、チェロの才能、作曲センス、深みのある落ち着いた歌唱、そして文句なしのタレント性も兼ね備えた完璧すぎるアーティスト。今後の活躍も要注目です。

第8位:Chuvash Stanzas & Songs / DIVA Ethno Future Sound(ロシア連邦チュヴァシ共和国)

ロシア連邦に属するチュヴァシ共和国の伝統音楽を軸に独自の表現を試みる4人組ディーヴァ・エスノ・フューチャー・サウンド(DIVA Ethno Future Sound)のデヴュー作も素晴らしかった! ヴォーカル、ピアノ、ハープ、木管の4人編成で、ゆったりとした生活感のあるフォーク・ミュージックは心に安らぎを与えてくれます。彼女らはどういうわけか日本語の曲も数曲発表しており、それらも温かく素晴らしいクオリティです。

第7位:Pondicergy Airlines / Stéphane Edouard(フランス/インド)

打楽器奏者、ステファン・エドゥアール(Stéphane Edouard)のこのデビュー作は、今年一番衝撃を受けた作品だったかもしれません。なんといって素手で叩き出すドラムスのグルーヴはビジュアル面も含めて常識を覆らされます。インドの伝統的な音楽との斬新なフュージョン。こんなに面白い音楽、他になかなかないのに殆ど注目されていないのが残念です。

第6位:Universos / Yotam Silberstein(イスラエル)

南米音楽に傾倒するイスラエル出身のギタリスト/作曲家ヨタム・シルバースタイン(Yotam Silberstein)がブラジルのピアニストのヴィトール・ゴンサウヴェス(Vitor Gonçalves)、イスラエルのドラムス奏者ダニエル・ドール(Daniel Dor)とのトリオを中心にカルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)など数人のゲストも迎えて制作した新作『Universos』は、ショーロやフレーヴォ、カンドンベといった南米音楽のエッセンスを巧みに捉え、さらにジャズ・ギタリストとして、作曲家として真骨頂を発揮した絶品でした。

第5位:Badinyaa Kumoo / Sona Jobarteh(ガンビア/イギリス)

長らくアルバムリリースのなかったソナ・ジョバルテ(Sona Jobarteh)がようやく、ようやく…新作をリリースしてくれました!既にレジェンドとなっている正統派グリオの家系で初の女性コラ奏者である彼女による“現代のアフリカ音楽”。とにかく素晴らしい!

第4位:Feliz Cidade / Pedro Santos(ブラジル)

ここ10年ほどのブームである“ミナス新世代”からは、ペドロ・サントス(Pedro Santos)というシンガーソングライターのソロデビューアルバム『Feliz Cidade』を激推ししたい。プロデューサーのルイス・カンポレス(Luiz Camporez)が持ち込んだロック性、そしてミナスの若い世代の音楽家が数多く参加したジャズやクラシック、ブラジルの伝統音楽のハイブリッドな融合によって生まれた音楽性は現代でもっともハイクオリティな作品と言っても過言ではないだろう。

第3位:Octante / Delfina Mancardo(アルゼンチン)

ブエノスアイレス出身、米英のフォーク・ミュージックからも大きな影響を受けた女性シンガーソングライター、デルフィーナ・マンカルド(Delfina Mancardo)の素晴らしいデビュー作です。小さな舟に乗って未知の外洋に漕ぎ出す少女の不安や孤独、夢、希望を見事に描き、歌い上げた傑作。

第2位:Anouch / André Manoukian(フランス/アルメニア)

アルメニア系フランス人ピアニスト/作曲家アンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新作。1914年オスマン帝国でのアルメニア人虐殺と“死の行進”を生き延びた祖母に捧げる全12曲はまるで1本の映画を観ているかのような充実ぶり。ジャズ、クラシック、フラメンコ、アルメニア伝統音楽などがハイレベルで混在するボーダーレスな作品です。

第1位:Bala Desejo / Bala Desejo(ブラジル)

これはもう、21世紀のノヴォス・バイアーノスと言っても過言ではないでしょう… …。
共同生活を営むドラ・モレレンバウム(Dora Morelenbaum)、ジュリア・メストリ(Julia Mestre)、ルーカス・ヌネス(Lucas Nunes)、そしてゼー・イバーハ(Zé Ibarra)というブラジル新世代を代表するアーティストによるあまりに素晴らしい一枚。今ライヴで一番観てみたいバンド。何もかもが最高です!

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