新しいブラジリアン・ジャズで音楽の無限の可能性を探求。ジャミーレ&ヴィニシウス・ゴメス

Jamile & Vinícius Gomes - Boundless Species

Jamile & Vinícius Gomes 『Boundless Species』

ともにブラジル出身で、ニューヨークを拠点に活動する歌手ジャミーレ(Jamile)と、ギタリストのヴィニシウス・ゴメス(Vinícius Gomes)によるデュオ・アルバム『Boundless Species』。多くの曲でジョー・マーティン(Joe Martin)のダブルベースもフィーチュアし、ブラジル音楽とジャズの境界を溶かす、新たなブラジリアン・ジャズを模索する。

ドラムスやパーカッションを排した編成で「どこにも隠れられない」ため、一音一息に意味を持たせたという。挑戦的なハーモニー、知的なリズム、感情的なストーリーテリングを重視。タイトルのとおり、ジャンルや地理的境界を越えた「Boundless(無限の)」音楽を体現している。

何よりも驚くのは、その選曲の多彩さだ。ブラジル出身の二人だから名作曲家ギンガ(Guinga)の(1)「Mar de Maracanã」や(7)「Mingus Samba」は予想の範囲内として、ハービー・ハンコック(Harbie Hancock)の電化ファンク・クラシック(2)「Actual Proof」をガットギターのバチーダで料理しているのには驚かされた。原曲の形をしっかりと残しつつオリジナリティを加えた見事なアレンジで、これは素晴らしい。

(2)「Actual Proof」

ハービー・ハンコックの曲としては、他にヴォコーダーを駆使して作られたことで知られる(5)「I Thought It Was You」をカヴァー。ガットギターとダブルベース、そして“生歌”によるクールなカヴァーとして蘇らせる。

ほかにスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の(8)「Where Were You When I Needed You」、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の原曲にエスペランサ・スポルディングが歌詞やアレンジを施した(9)「Endangered Species」なども面白い選曲だ。
ラストは“ブラジルの心”ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)の(10)「Outubro」で幻想的にアルバムを締めくくる。

(7)「Mingus Samba」

Jamile – vocal
Vinícius Gomes – guitars
Joe Martin – double bass

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