ちょっとサイケで、しっかりサウダーヂ。ミナス発 Cifras no Varal の音楽が面白い

Cifras no Varal - Roda dos Orixás

ブラジルでしか為し得ないロック。ミナスのバンド Cifras no Varal

ブラジル・ミナスジェライスのSSW、エステヴァォン・マスカレーニャス(Estevão Mascarenhas, gt, voが率いるバンド、シフラス・ノ・ヴァラル(Cifras no Varal)の2019年作『Roda dos Orixás』。トロピカリアの雄、オス・ノヴォス・バイアーノス(Os Novos Baianos)を彷彿とさせる、ブラジルの民族音楽成分が多めの気持ちいいロックサウンドを聴かせるおすすめのバンドだ。

ちょっとサイケで、しっかりサウダーヂ。癖になる楽曲(1)「Atlântico Negro」。

演奏は荒削りな部分があるものの、コンガーダやマラカトゥといった黒人文化由来の伝統的なブラジルのリズムを大胆に取り入れ、独自のロックに昇華している。バンドはドラムレスながら、ブラジルが誇るハンドパーカッション、パンデイロが刻む強力なビートは圧巻だ。プリミティブなリズムに絡むガットギターやエレキギターもショーロやサンバの影響を受けた実にブラジルらしいコード進行を鳴らし、前述のオス・ノヴォス・バイアーノスや2000年前後に一世を風靡したメストリ・アンブロージオ(Mestre Ambrosio)ペドロ・ルイス&パレーヂ(Pedro Luis E A Parede)にハマった人(=他ならぬ私のことである)なら、きっと気に入るはずだ。

エステヴァォン・マスカレーニャスは高名な画家マリア・ヘレナ・アンドレス(Maria Helena Andrés)を祖母に持ち、日本でも人気の“ミナス新世代”SSWのアレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andrés)は従兄弟にあたるようだ。

(5)「João do Samba Malandro」の心地良いパゴーヂ風ライヴ演奏。
(10)「Jogou」

Cifras no Varal :
Estevão Mascarenhas – vocals, guitar
Frederico Campos – guitar, vocals
Hugo Nogueira – vocals
Thales Pereira – percussion
Maria Estela – percussion
Marcelo Alfaro – cavaquinho
Lucas Alfaro – bass

Cifras no Varal - Roda dos Orixás
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